スチューデントアチーブメントセンターの二ノ宮リムさち准教授が11月26日に、「国連大学SDG大学連携プラットフォーム(SDG-UP)サティフィケート?プログラム(パイロット事業)」による教養講座「国連SDGs入門」の反転授業で講師を担当しました。SDG-UPは、国連大学サステイナビリティ高等研究所が中心となり、SDGsの達成に向けて積極的に取り組む意欲のある日本の大学が連携できる場として2020年に設立したもので、本学を含む31大学が参画しています。国連大学と日本の大学同士が連携し、高等教育におけるSDGsの取組みや人財育成、ステークホルダーとのパートナーシップを強化し、日本と世界の持続可能な発展に貢献することが目的です。
この活動の一環として開講されている教養講座「国連SDGs入門」は、環境やジェンダー平等などSDGsに掲げられた目標について、先駆的な取り組みを展開している12大学が共同して得意分野を担い、画期的で多彩なメニューを動画と反転授業で学べるよう構築したものです。開発?国際や環境?持続性、ジェンダー?人権など6項目について、1項目2校ずつが実践事例と知識?理論を分担。1校90分で、15分程度の動画2本を視聴するとともに、討論や実習に取り組む反転授業を行う計15回のプログラムとなっています。
二ノ宮リム准教授は、プログラムの第14回として、「参画?変革②:持続可能な未来を創る~わたしたちのシティズンシップ」の反転授業を担当。当日はオンラインで実施し、本学をはじめ参加大学の学生約30名が受講しました。講義ではまず、「あなたは社会に対してどのように変わってほしい?変えたいと思うか? そのためになにか行動をしているか?」をテーマにブレイクアウトルーム機能を使って少人数で討論。その後、二ノ宮リム准教授から指名を受けた学生たちが、「マイノリティーへの偏見、差別をなくしたい。イベントなどに参加はしているが、実際に自分でイベントは開催できていない」「さまざまなことに参画しやすい社会になってほしい。自分はまだ特に具体的な行動はできていないが、ボランティア活動に関する案内や自治体で参加できるイベントなどが増えると参加しやすくなる」「完全には難しいが、公正?公平な社会を目指したい。そのために大学内でフェアトレード商品を扱ってもらえるような活動を考えている」といった意見を発表しました。
また続いて、「1週間後、1年後、5年後のわたし(わたしたち)は持続可能な社会への変革にどう参画するか? 1週間後にやること、1年後にやっていたいこと、5年後にやっていたいこと」について再び議論し、二ノ宮リム准教授が「社会を変革する行動には、いろいろなレベルと方法があります。その時の自分の人生の状況によってキャパシティーも変わり、目標は変わっていくものです」とアドバイス。学生たちは、「1週間後はフェアトレードのチョコレートを購入し、自身が所属するSDGs団体の新メンバー募集で枠組みを広げる。1年後はSDGsに取り組むインターンシップに参加し、5年後は青年海外協力隊として海外で活動したい」「1週間後は消費者としてエコバッグの使用や地産地消などの行動をとり、1年後はSDGsを周知するイベントの企画?参加、フェアトレードの推進に取り組んでいたい。5年後には、企業で障害者雇用や男女平等雇用を通じてSDGsに参画したい」といった意見を述べました。
最後に二ノ宮リム准教授が、「すでにさまざまな活動に取り組み、仲間を広げていこうという学生がいる一方、問題意識は持ちつつもまだ行動に移せていない学生もいます。こういった機会で得たネットワークを生かして、アドバイスし合える関係をつくってほしい。こうした機会に自分の考えを確認し、人生につなげてくれれば」と呼びかけました。