本学の吉川直人副学長(国際担当)が、10月2日にオンラインで開催された「アフガニスタン元留学生『教え子を救え!』プロジェクト?シンポジウム『私たちはいかにアフガニスタン人留学生を教えてきたか』」(主催:東京外国語大学シンポジウム事務局)で講演しました。アフガニスタン復興を目的に日本政府が2001年から展開してきた現地の若者を日本国内の大学?大学院に招く研修事業では、過去20年間で約1400名が留学しています。留学生たちは帰国後、官民学さまざまな場面で活躍していましたが、今般のアフガニスタン情勢の変動を受け、その役割を十分に果たせる環境の確保できない状態となっています。今回のシンポジウムは、日本の大学?教育機関がアフガニスタン人留学生を受け入れてきた経緯や卒業後の進路などを振り返り、日本で学ぶ留学生や卒業生を守り続ける重要性を周知することを目的に開かれました。
当日は、全国の大学?教育機関と連携したアフガニスタン国支援事業「未来への架け橋?中核人材育成プロジェクト(PEACEプロジェクト)」を展開している独立行政法人国際協力機構(JICA)の北岡伸一理事長が来賓として出席。「これまで我々は留学生に母国で活躍してほしいという思いで活動してきたため、彼ら、彼女らの無事を守るのは義務だと思っています。“助けてほしい”という声に応えられるよう、今できることに全力で取り組みたい」と熱を込めました。続いて、9つの大学?教育機関の代表者が過去にアフガニスタン人留学生を受け入れた事例を報告。本学代表として出席した吉川副学長は、「bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户の使命とアフガニスタン留学生」と題して講演しました。2011年からPEACEプロジェクトなどにより理工系の学部を中心に約40名の留学生を受け入れ、土木?建築など母国の復興を目指す多くの若者が学んできたことを説明し、「本学は創立者?松前重義博士が、平和に貢献する若者を育てるために設立した大学であり、『人々が平和で幸せな生活を送ることのできる、調和の取れた文明社会を建設するための人材育成』を使命としています。アフガニスタン留学生たちは、本学で科学技術のみにとどまらず、社会を構築するための手法についても学んでいましたが、こうした思想は今の同国では生かせないのではないかと懸念しています。現地に在住する卒業生からは助けを求める声が多く届いていますが、なかなか動くことができず歯がゆい気持ちでいっぱいです。このシンポジウムが日本の国際協力のあり方について多くの人々が考える契機となることを願っています」と期待を寄せました。
事例報告後は全体討論が行われ、各大学?教育機関における対応策などについて意見が交わされました。