4月16日に紀伊國屋書店札幌本店1階インナーガーデンで、bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户(札幌キャンパス)公開講座ヒューマンカフェ(道民カレッジ)「野生生物との共生―カ ラス―」を開催しました。当日は、本学生物学部生物学科の竹中万紀子准教授が講師を務め、最も身近な野生動物の一つである「カラス」の生態や、厄介者とと らわれがちな彼らと共生するための考え方について話しました。
竹中准教授は、北海道には「ハシボソガラス」と「ハシブトガラス」という2種類のカラスが生息していることやその特徴を説明。「ゴミを荒らす、繁殖期には 人間を威嚇?攻撃するといった悪い印象が強いカラスですが、そういった問題の原因は人間側にある」と語りました。その上で、「野生動物がゴミを荒らすの は、人間がそのような捨て方をしていることや、餌づけで人慣れしてしまったことが原因です。野生動物にとっては、落ちている生ゴミも餌づけの餌も同じなの です。また、人間を攻撃するのも近くにひながいる場合や、身の危険を感じた場合がほとんど。その証拠にハシブトガラスが攻撃する対象の多くは、カラスを攻 撃した本人やその人に似た風貌?年齢の人、攻撃者の後に偶然通りがかった人です。威嚇しているカラスが近くにいる場合は、きょろきょろしないこと、手や持 ち物を振りまわさないことが大切です。また、カラスは害虫を食べてくれるなど、目に見えない恩恵を与えてくれる一面もあります」と説明しました。
また、札幌市内の動物園や住宅街のゴミ捨て場、公園などでは餌づけやゴミの管理がきちんとなされていることや、餌づけやゴミがカラスの生息数に影響を与え ているとの仮説から、カラス類の生息数と人工的な餌の関係について国際的な調査が始まっていることを紹介しました。竹中准教授は最後に、「野生動物と共生 するためには、人間が生活できる環境の中に、彼らが生活できる場を残すことが重要です。例えば、公園の草刈などでも、全てを刈り取るのではなく、ある程 度、動物が餌をとれる環境を残す配慮が重要です。どんな生き物も生態系の歯車として重要な役割を果たしています。それをちゃんと理解できると、身近な生き 物と上手に折り合いをつけて共生できるのではないでしょうか」と来場者に語りかけ、講演を締めくくりました。