国際学部国際学科では12月6日に、湘南キャンパス11号館で本学部の学生を対象にした「国際理解講座」を開催しました。本講座は、学内外問わず国際舞台で活躍する人物に成功?失敗体験を語ってもらい、学生たちにグローバルキャリアへの関心や世界に出ていくきっかけをつくることを目指して定期的に開催しているものです。今回は、2015年に教養学部国際学科を卒業し、翌年1月からJICA海外協力隊員としてカンボジアの水泳代表チームを指導した沖田咲さんが講演しました。
当日は、本学科2年次生、教養学部国際学科3、4年次生約20人が出席。沖田さんは、在学中に国際学科で学びながら水泳部にも所属した経験を振り返り、「幼いころから国際協力活動に携わりたいという夢と、大好きな水泳で結果を残したいという思いを抱いていました。水泳部の練習はハードでしたが、水泳部の仲間やコーチだけではなく、国際学科の指導教員だった小貫大輔教授や友人たちのサポートもあり、4年間で2つの目標を追い続けることができました。水泳部では、4年時のジャパンオープンの50m平泳ぎで4位になれました」と振り返りました。卒業後は海外協力隊員としてカンボジアへ渡り、現地の選手を指導。「練習場所は日本では考えられない緑色のプール。コースロープもなければ、ビート板などの道具もない。それでも、目を輝かせ、楽しそうに泳ぐ代表選手に“この子たちのためにできることは何でもやろう”と決めました」と話し、「辛いことや葛藤もたくさんあったけど、乗り越えられたのは目標が明確だったから。選手たちと一緒に描いた夢と彼らの可能性を、最後まで信じ抜く気持ちを強く持ち続けました」と話しました。
海外協力隊の2年間の任期を終えた後も、一度は日本に戻るも「まだまだ教えられることがある」と正式にカンボジアナショナルチームのヘッドコーチに就任。再び同国へと渡った沖田さんは、「一大決心をしてカンボジアに戻ったのに、給料の未払いが続いたり、責任転嫁されたりと不条理なことが続きました。そんな中でも、協力隊の時以上に積極的にいろんなことに挑戦しましたが、メインの練習会場が使えなくなったり、外国人である私がなんとかできるような問題ではなかったりすることが次々と起き、体調も崩してしまいました。しかしその頃には、一緒に選手指導に携わるカンボジア人コーチたちが数人おり、彼らは元教え子で信頼もしていたので、もう彼らに任せても大丈夫と思えるようになっていました。そして、私がいることで逆に連盟の成長を妨げてしまっているかもしれないと感じるようになり、1年半後にはその仕事を離れることを決意しました。当時を振り返ると辛かったことも思い出されますが、やらずに後悔するよりはいい経験ができてよかったと感じています。あの時カンボジアに戻っていなかったら、私は絶対に後悔していました。皆さんにもたくさんの可能性があるので、失敗を恐れずぜひいろいろなことにチャレンジしてください」とメッセージを送りました。