教養学部では9月19、20日に湘南キャンパスで、「UNESCO/ESD交流セミナー2015~未来の学校について考えてみよう~」を開催しました。本学部が今年度から加盟している「ユネスコスクール支援大学間ネットワーク」(ASPUnivNet)の活動の一環で、文部科学省「日本/ユネスコパートナーシップ事業」として、ESD活動(持続可能な開発のための教育)やそれぞれの学校の特色を紹介し合い、学校?教員?ユース間の交流を深めるために初めて実施したものです。ASPUnivNetは、ユネスコの理念に基づき、グローバルなネットワークを活用して新しい教育内容や手法の開発、発展を目指すユネスコスクールの活動支援が目的。ユネスコスクールへの加盟支援や、大学の持つ知的財産の提供、国内外の教育機関とのネットワークづくりの促進などが主な活動内容です。
セミナーには、神奈川県内外のユネスコスクールに加盟している小学校や高校、大学、加盟を希望する各校から60人を超える生徒、学生、教員が参加しました。初日は、まず主催者を代表して本学部国際学科の小貫大輔教授があいさつ。「ユネスコスクールは、ESDという未来を先取りした教育をしています。今回は“未来の学校について考えてみよう”をテーマに、100年後に人類が幸せに生きているとしたら、どんな社会で、どんな学校になっているかをみんなで考えていきましょう」と話しました。その後、本学部の学生が主導して名前記憶ゲームなどのアイスブレイクを行い、交流を深めました。続いてユネスコスクールに加盟している玉川大学の小林亮教授が、「ユネスコの概要 ESDとは?持続可能性について考える」と題し、ユネスコやユネスコスクール、ASPUnivNetの歴史やそれぞれの活動を紹介。「ユネスコの基本理念である“わたしの平和宣言”には、『すべての生命を大切にします』『どんな暴力も許しません』『思いやりの心を持ち、助け合います』『相手の立場に立って考えます』『かけがえのない地球環境を守ります』『みんなで力をあわせます』とあります。みなさんの考える“わたしの平和宣言”を絵で表してみましょう」と語りかけ、参加者は4班に分かれてグループワークを行いました。また、ユネスコスクール加盟校の生徒や教員が、「東日本大震災ユネスコツアー」や「日本教職員韓国訪問プログラム」に参加した経験や、ユネスコスクールとして実施している授業の内容を紹介して学びを深め、セミナー後には参加者全員でバーベキューを楽しみました。
2日目は、本学部人間環境学科自然環境課程の藤吉正明准教授の指導でキャンパス内を歩きながら植物を観察?収集し、それを煮出して草木染めをするプログラムからスタートしました。その後、生徒と学生混合の5グループと、教員2グループに分かれ、ワークショップを実施。「100年後の未来の学校はどうなっているか」をテーマに話し合いを進め、最後の発表会では、「英語を第二母国語として、外国人との交流がもっと盛んになる」「セクシャルマイノリティーの人が共生できる社会になっている」「一人ひとりの個性を生かす学校にしていきたい」といった意見が上がりました。
参加者からは、「自分の考えを人に知ってもらう新鮮さ、面白さをあらためて感じたので、自分の学校に戻ってからも続けていきたい」「身近な人と話し合うだけでなく、少しずつでも輪を広げて、みんなで未来を考えていけるような社会になれば」といった声が聞かれました。小貫教授は、「100年後の世界は、彼らやその子どもたちがつくっていく世界です。今回のセミナーがきっかけとなって未来を背負うことの責任に気づいてもらえればと思います。今後もユネスコスクールの横のつながりをさらに広げ、交流していきたい」と話していました。