教養学部国際学科の和田龍太講師の著作『中国をめぐる英米関係―イギリスによる航空機技術の対中輸出を中心に、1969-1975年』が8月に、bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户出版部より発行されました。本書は、朝鮮戦争で中国とアメリカが関係悪化の一途をたどる中、1970年代にイギリスが中国へ航空機技術を輸出する際に、アメリカがその外交を後押しした経緯と、その後世界各国に与えた影響についてまとめたものです。和田講師が筑波大学大学院人文社会科学研究科国際政治経済学専攻に在学中の2013年に執筆した博士論文がもとになっています。
和田講師は、本学科在学時に、協定校であるイギリス?エセックス大学へ留学。卒業後もイギリス?サセックス大学大学院に進学し、帰国後は筑波大学大学院でイギリスの外交や国際関係に関する研究に取り組んできました。その中で、「現在中国が取り組んでいる航空機の製造はイギリスからの技術輸入がはじまりであることや、朝鮮戦争で中国と敵対関係にあったアメリカが技術の輸出を秘密裏に後押ししていたことを知りました。イギリスのことを知るためにはアメリカのことも勉強しなければと思い、大学院博士課程の3年時にアメリカへ留学し、中国をめぐって両国がどのようなやり取りをしていたのか研究するようになりました」と振り返ります。また、「日本の同盟国であるアメリカが、当時イギリスとどのような外交を展開していたのか調べると、日本に足りない部分が見えてきます。外交や政治は国民一人ひとりが身近な問題として議論すべきテーマ。日本の未来を担う学生の皆さんに一読していただければ」と語っています。