教養学部人間環境学科自然環境課程の岩本泰准教授が共編著者を務めた『総合的な学習/探求の時間-持続可能な未来の創造と探究-』(小玉敏也?金馬国晴?岩本泰編)(学文社刊)が、9月1日に刊行されました。2015年に国連がSDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)を策定したことを受け、17年3月に公示された幼稚園教育要領、小?中学校学習指導要領および18年3月に公示された高等学校学習指導要領では、全体の内容にかかわる前文と総則において「持続可能な社会の創り手」の育成が掲げられています。本書は、小中高の「総合的な学習の時間の指導法」と、高校の「総合的な探求の時間」の関連科目においてSDGsの理念を生かした内容を実践するための指南書として編纂。全国の教育現場で実践された先進的な授業事例も紹介することで、授業展開のノウハウを共有することを目的としています。
7大学の教員と小?中?高校の現職教員が執筆し、岩本准教授は全体の編集作業と序章、あとがきを担当。SDGsが策定された経緯や学校教育で取り入れられることの意義、持続可能な社会に向けて児童、生徒に期待するポイントなどを紹介しています。岩本准教授は、「総合学習に関する体系化された教育実践の専門図書や、SDGsの達成に向けた学習活動の参考図書を作りたいと考え、各大学の先生方と勉強会を重ねながら協力し編纂しました。これからの学校教育は、生徒が知識を蓄えるだけでなく、具体的な問題解決のために学んだ知識を活用する能力を養うことが求められます。重要なのは、子どもと大人が“協働的”に学びの場をつくること。SDGsは何のために策定されたのか、誰のためになるのかを授業でどんどん議論してもらいたいと思いますし、教育の現場で実践してもらいたい」と期待を寄せています。