教養学部人間環境学科の北野忠教授と研究室に所属する学生が湘南校舎で、9月17日と11月19日に、「川の勉強会!(体験とミニ講義を通じて知る河川環境と生物)」を実施しました。自然環境を通じて生徒のセンス?オブ?ワンダー(不思議さに驚嘆する感性)を引き出すことを目的に、付属相模高校?中等部が企画する「相模サイエンスプログラム(SSP)」の一環として行われたものです。9月17日には、中等部の自然科学部と高校生物部1年生の計16名が、11月19日には高校生物部2、3年生の計7名が参加しました。
両日とも、はじめに北野教授と学生のサポートのもと、生徒たちは湘南校舎近くの金目川で「たも網」を使って魚や甲殻類を採集。北野教授は、「網を使う際はやみくもに振り回すのではなく、川の流れに合わせて網を設置して生き物を追い込んでみてください」とアドバイスしました。シマヨシノボリをはじめとする淡水魚やモクズガニ、ヒラテテナガエビなど10種以上の水生生物を確認したほか、5年ほど前までは金目川では見られなかった国内外来生物のカワムツも多数発見しました。その後は、湘南校舎に移動して採集した生物を観察。魚類の見分け方や各種の生活史について説明するとともに、外来生物が他の生物や環境にどのような影響を与えてしまうのか講義しました。その後は、北野教授の研究室で飼育する生物や研究内容も紹介。熱心に研究室を見学した生徒たちからは、「採集方法のコツを教わり、これまでよりもうまく捕まえることができました。研究室の見学ができたことや大学生のお兄さんお姉さんからいろいろな話を聞けたことで、進学に向けての参考になりました」「同じ川の中でも、環境によってそれぞれ生息場所が異なるので新たな発見がたくさんありました。また、淡水魚の名前は知っていたものの、生態や見分け方が分からなかったので勉強になりました」と笑顔で話していました。
北野教授は、「新型コロナ禍以降で多くの活動が制限されてきましたが、今年から徐々に対外的な活動もできるようになり、とてもうれしく思います。屋外遊びの減少に伴って子どもたちは自然の生き物に接する機会が少なくなっていますが、今回のような活動を通じて身近にたくさんの生物がいることや、その魅力をあらためて感じてもらえたのではないでしょうか。また、図鑑やネットで見ていた生物を実際に見ることで、新たな気付きもたくさんあったと思います。さらに、学生たちは説明役を務める中で知識をアウトプットし、自らの学びを再確認する機会にもしてくれました」と話していました。