「環境教育論」JICA国際教育出前講座「国際協力の中で若者は何ができるのか?」を開催しました

教養学部人間環境学科では12月3日、国際理解教育出前講座「国際協力の中で若者は何ができるのか? ~青年海外協力隊環境教育隊員の事例をもとに~」を湘南キャンパスで開催しました。本学部FD委員会の特別企画として、独立行政法人国際協力機構 (JICA))中南米課の協力のもと、11月26日と12月3日の2回シリーズで行ったものです。この講座は本学科自然環境課程の開講科目「環境教育論」 の特別公開授業として実施し、学生が地域や社会の課題を解決するために、横断的、総合的に考え、行動への糸口を探すことを目的としています。1回目の11 月26日にはJICA青年海外協力隊事務局中南米課の吉田憲氏と鈴木央氏が、「日本は国際協力で何をやっているのか?~JICAの取り組みについて~」を テーマに講演。政府開発援助(ODA)についてや、日本のODAの現状、ブラジルでの活動実績などを紹介しました。12月3日には、JICA青年海外協力 隊事務局環境教育分野技術顧問の三好直子氏と、本学部国際学科の卒業生で、国際理解や国際協力をテーマとした教育活動や参加型学習の普及推進を行っている 特定非営利活動法人開発教育協会の星久美子さんが登壇。テレビ会議システムを使って阿蘇キャンパスにも配信し、学生や大学院生、教職員ら約90名が聴講し ました。

はじめに三好氏が、「皆さんの先輩が、国際協力の現場でどんな仕事をしたのか、1つの実例としてご紹介したいと思います」と挨拶。続いて星さんが登壇し、 青年海外協力隊の環境教育隊員として中央アメリカの国、ベリーズの小さな町でゴミ問題に取り組んだ経験を、ビデオや自作の環境教材などを使いながら語りま した。「ベリーズは自然豊かな国ですが、ゴミを放置するのがあたり前。なぜプラスチックなどのゴミをポイ捨てしてはいけないのか、理解している人はほとん どいませんでした」と振り返り、町中にゴミがあふれている様子を説明。ゴミへの関心を高めてもらおうと、ゴミを収集しながら調査し、住民とビンのふたを集 めてアート作品を制作したことなどを披露しました。また、ベリーズ国環境省の担当者と全国の小中学校で行ってきたオリジナルの絵本を使った環境教育も報 告。「これまで当たり前だと思っていた『ゴミをポイ捨てしない』ということが、生活習慣や知識によるものだと気がつきました」と話し、「自分が日常だと 思っていても、他国では非日常かもしれません。しかし、試行錯誤しながらも現地の人と協力して課題に取り組んだことは自信につながり、視野も広がりまし た。一度きりの人生です。おもしろそうだと思ったら恐れずにチャレンジしてみては」と後輩にエールを送りました。

その後、学生たちは講演内容を1文字で表し、その理由を説明する課題に挑戦しました。授業を担当する岩本泰准教授が両キャンパスの学生からメールで送られ た回答を紹介。「『波』次々と新しい課題がやってくる」「『眼鏡』現地に行ってこれまで見えなかったものが見えてきた」など、個性あふれる答えが続出しま した。最後に三好氏が青年海外協力隊のさまざまな活動やフォロー体制について説明し、「現地では、それまでの人生で身につけてきたすべてを総動員しなけれ ばならず、『現場力』が試されます。時間がある学生時代に小さなことでもいいから挑戦し、自分の力を高めてください」と語りました。聴講した学生は、「青 年海外協力隊に関心があり参加しました。実際に参加した先輩の話は臨場感があって、国際協力にますます興味がわきました」と感想を述べました。

JICA国際教育出前講座「国際協力の中で若者は何ができるのか?」を開催しました

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