教養学部芸術学科デザイン学課程の池村明生教授とゼミの学生たちが3月3日から5日までひらつか市民プラザで「もなかでひらつかを食べよう!」展を開催しました。本学が文部科学省「地(知)の拠点整備事業」の採択を受けて取り組んでいるTo-Collaboプログラムの大学推進プロジェクト「地域デザイン計画 ブランド創造事業」の一環で、平塚市と協力して実施してきた「ベジタマもなかプロジェクト」の今年度の総括として開いたものです。
本プロジェクトでは、過去に本課程の学生がデザインし、市内のイベントなどで活躍している平塚市の漁業PRキャラクター「ひらつかタマ三郎」と平塚産農産物PRキャラクターの「ベジ太」を用いたもなかの皮のデザイン案を昨年4月ごろから考案。工藤さらさん(3年次生)は、「紙に絵を描いて、そのイラストどおりに木を削って模型を作り、何度も試行錯誤を重ねました。直径約7.5cmの丸の中にデザインするのは難しかった」と振り返ります。ベジ太とタマ三郎それぞれのデザインを決め、本課程の技術職員のサポートを受けながらレーザーカッターや石膏を使って原型を制作。名古屋にある酒井製作所で金型を作り、平塚市内で唯一もなかの皮を製造する種清商店で平塚産のもち米を使って焼き上げてもらいました。1月17日には、平塚市の農水産課や商業観光課の職員や、呼びかけに応じた平塚市内の飲食店の関係者らが集まり、学生から企画概要や試作品の案などを紹介した後、本展に向けた話し合いを実施しました。
「もなかで平塚を食べよう」展当日には、約700名が来場。14団体による地産地消をテーマにした20種類のもなかを展示し、試食も行いました。湘南で栽培されたみかんの餡が入った「湘南みかん最中」や、豚の角煮と平塚産のきぬひかりなどを合わせた「弦斎角煮丼もなか」などのほか、平塚産の野菜を使ったポテトサラダとハムをはさんだ「ポテトサラダ最中」、平塚で水揚げされる代表的な魚であるサバの味噌煮と湘南産のピーナッツをサンドした「サバ味噌チーズもなか」といった変り種も。中にはアイシングでカラフルに色づけされた「ベジ太ブルクリームサンド」もあり、来場者の目と舌を楽しませていました。会場には学生たちが作った説明パネルを掲示し、ベジ太とタマ三郎の塗り絵コーナーも設置。子どもたちにも人気を博しました。
海老原有理さん(同)は、「さまざまな平塚産食材を使ったもなかが完成し、とてもうれしく感じています。今後、商品化が進んでほしい」と期待を語ります。平塚市産業振興部農水産課農業政策担当の熊澤光成さんは、「学生たちが試作品のアイデアを提案してくれたおかげで、多くの飲食店が積極的に協力してくれました。市の名産品を知ってもらういい機会になったと思います」と振り返りました。指導にあたった池村教授は、「来年度は商品化支援と、レシピコンテストなども企画しています。市と協力して、活動の幅を広げていければ」と語りました。