教養学部人間環境学科自然環境課程では、2月4日に湘南キャンパス13号館で「湘南里川づくりフォーラム2018~金目川水系の今後~」を開催しました。このフォーラムは、本課程の藤野裕弘教授が会長を務める「湘南里川づくりみんなの会」と「NPO法人bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户地域環境ネットワーク」の主催で、里川づくりについて広く一般の方に知ってもらい、参加者同士の交流を図ることを目的に毎年開かれています。本課程では文部科学省平成25年度「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」に採択されている「To-Collaboプログラム」の大学推進プロジェクト「エコ?コンシャス計画 環境保全事業」の一環として参画しており、地域住民と学生たちがともに金目川水系の今後について考えました。
はじめに、吉村伸一氏(株式会社吉村伸一流域計画室代表取締役)が「治水と環境の統合技術としての多自然川づくり~河川空間の豊かさの再生を目指して~」と題して基調講演。吉村氏は、河川が本来有している生物の良好な生育環境などに配慮し、美しい自然景観を保全?創出する「多自然川づくり」を提唱し、河川環境整備事業に取り組んでいます。講演では、全国各地で実施してきた河川整備の工事前と工事後の様子を写真で紹介しながら、「『いい川』は氾濫しないことが最低条件ですが、同時に多様な生物が生息するためにデコボコな形が維持されないといけません。いい川、いいまちをつくることで人々の暮らしは豊かになっていく」と語り、吉村氏の講演に関連付けて、藤野教授の研究室に所属する4年次生3名も金目川に関する研究を発表しました。
その後は、「湘南里川づくりみんなの会~今後の活動展開に関して~」「キラキラ光る金目川を目指して」「長期的に見た地域活性化~金目川水系の今後~」「水と人を結ぶ~金目川水系の歴史を踏まえて~」の4分科会を実施。また、特別企画として10号館S-PLAZAで本課程の学生が、金目川流域内に存在する雑木林間伐材を使ったコースター作りや、水田で育てた酒米の試食などを行いました。午後の部では4分科会での成果を報告し、分科会に参加した学生たちは、「川に興味があるのはご高齢の方が多いので、私たち学生が除草作業などに積極的に参加し、SNSも活用して川のよさを伝えていきたい」と語りました。
最後の意見交換会では参加者から、「東海大にはさまざまな研究をしている先生がいるので、横のつながりをもっと強化し、私たちの活動とも連携して何かできないか」「SNSを使った情報発信とあったが、具体的にはどのようにしていくのか」といった声が上がりました。最後に藤野教授は、「どの団体も若い世代の加入が深刻な問題となっています。中高生の保護者世代も自然の中で遊ぶという経験は不足していますから、親子で参加できる観察会などを積極的に開催し、2世代同時に参加してもらい、活動の輪を広げていく必要があると考えています。みんなの会としても、来年度はミニフォーラムなどを開催していこうと考えていますので、皆さんの参加をお待ちしています」と語りました。