教養学部人間環境学科自然環境課程の藤野裕弘教授が会長を務める「湘南里川づくりみんなの会」による人間環境研究会第9回公開講座「金目川水系の成り立ちと変遷」が、4月19日に湘南キャンパスで開催されました。「湘南里川づくり」について広く知ってもらい、参加者間の交流を図ることを目的としたもので、本課程の学生や地域住民ら約80名が参加しました。
神奈川県?平塚博物館の学芸員である野崎篤氏が講師を務め、4月に大分県で起きた土砂災害の事例を紹介。「大雨が降ったり地震が起きたりしなくても、稀に山や崖が突然崩れることがあります。自分たちが住んでいる場所の地質を知ることは、自分の身を守ることにもつながります。本日は平塚市、秦野市にお住まいの方も多いでしょうから、金目川がどのようにできて地形がどうなっているか、この機会に知ってもらえればと思います」と語り、伊勢原市?大山にある金目川の源流や、2万年前の金目川の流路を紹介。そのほかにも、金目川周辺を形づくる地形や岩石、流域の地形について解説しました。講演後、参加者から多くの質問があり、活発な議論が展開されました。
また、「湘南里川づくりみんなの会」会員の木嶋義光氏と上田秀一氏が、これまでの活動事例や今後の目標を紹介しました。本会の企画を担当した上田氏は、「次の世代に残したい金目川水系にするために、『水がきれい』『自然が豊か』『大人や子どもが遊べる』など、若い世代から支持される評価項目を活動目標としていきます。観察ノートなどを用いて”里川らしさ”を評価し、いい事例があれば地域に広げていきたい」と今後の展望を披露。最後に藤野教授が登壇し、秦野市、伊勢原市、平塚市の3市で今後実施していくミニフォーラムの概要を紹介するとともに、「里川つくりの現状を周知するために3市で情報を共有し、参加した人がどんどん意見を出せる会にしていきたい」と意気込みを語りました。