考古学専攻では、春学期に測量の基礎技術を修得することを目的とした「フィールドワーク実習I」という授業を開講しています。この実習では、毎年、大学近郊の北金目神社の裏手にある「北金目古墳」を、神社のご厚意により、実習地として使用させていただいています(写真右手の高まりが古墳の一部)。
今年も6月より、北金目古墳にでかけ、測量を開始しました。測量には、平板、レベル、巻き尺といった昔ながらの機材を用います。中でも平板は18世紀には使用が始まっていたとされる古くからの道具です。三脚の上に平らな板が設置されており、この板を水平にし、その上に紙を貼って、実物を縮小した図(ここでは等高線による図)を描くのです(写真左手に2台の平板がみえる)。
現在の地形測量では、レーザー機器を使った測量が主流ですが、学生が測量の基礎を学ぶには、昔ながらの機材が最適です。こうした機材は、使い方にコツがあり、それを修得するには何回も使って慣れるしかありません。学生諸君も最初は機材を使いこなすのに苦労していましたが、実習の最後のほうではだいぶ上達したようです。