教育研究上の目的及び養成する人材像
海洋学部海洋理工学科海洋理工学専攻の教育研究上の目的は、大学?学部の教育目的に沿って、海洋科学にかかわる幅広い知識と、海洋を利用するための高度な技術をもって、自然科学的な視点とともに、社会科学的な眼差しを兼ね備えた、海洋に関する諸問題の対処と解決の方策を導き出せる思考力及び実践力をもった人材を養成することです。
3つのポリシー
1ディプロマ?ポリシー
海洋学部海洋理工学科海洋理工学専攻では、以下の能力を備えたと認められる者に学位「学士(海洋学)」を授与します。
知識?理解
人と海の関わりを理解するとともに、持続的な海洋の利用に関する科学的な知識と技術を有することで、海洋環境の諸問題が自らを取り巻く社会状況と関連付けて具体的に理解できる。
汎用的技能
海洋に関する知識?技術に精通し、人と海とが調和する社会を構築するための取り組みや政策の理解を通して、論理的な思考力を持って具体的な問題に対処し解決の方策を導き出せる。
態度?志向性
海洋に関する幅広い知識や技術を基盤とし、人と海とが共生する持続可能な社会の構築に貢献できる人材として、主体的に問題を発見し、対処し、解決の方策を導き出す力を有する。
2カリキュラム?ポリシー
海洋学部海洋理工学科海洋理工学専攻が定めるディプロマ?ポリシーに基づき、以下に示す教育課程を編成し、実施します。
教育課程?学修成果
本専攻では、海洋に関する科学的な基礎知識を基に、人と海とが共生する持続可能な社会の構築に貢献できる人材を養成します。入学直後に大学教育へと円滑に橋渡しする科目として「入門ゼミナールA、B」を、海を知る科目として「海洋学」、「海洋社会科学」、「駿河湾学」、「海洋実習1」の必修科目を開講します。また、自然科学の教養科目として数学、物理学、化学、生物学、地学に関する12の選択科目を開講します。加えて海洋理工学の基礎知識として、「地球科学」、「環境科学」など14の選択科目を設置しています。
次段階の学科専門科目では、海を学びの核としつつ、地球環境の現状や未来を総括的に把握できる能力を醸成します。そのためには、自然科学的な視点とともに、社会科学的な眼差しを兼ね備える必要があります。本学科においては、海と人との関係性を捉えることを基本とし、「海洋を科学する」「資源?エネルギーの科学」「海洋での活動力」の3つの学修体系を設置しています。
まず、「海洋を科学する」系で開講する「地球物理学」、「海洋化学」、「生物海洋学」、「海洋気象学」といった地球システムの中でも中核をなす海洋科学を中心とした科目群や「資源?エネルギーの科学」系で開講する「海洋資源学」、「海洋地質学」など固体としての地球科学に関する科目群は、地球環境の現状を把握し環境問題のメカニズムを理解することを目的としています。
次に、「海洋を科学する」系で開講する「海洋共生論」、「海洋管理論」、「沿岸環境論」といった科目群や「資源?エネルギーの科学」系で開講する「沿岸開発論」、「海洋資源管理論」といった科目は、海洋の持続的な利用を可能とするために、人と海洋の共生のあり方を理解することを目的としています。
さらに、「資源?エネルギーの科学」系で開講する「海洋エネルギー工学」、「海洋土木環境工学」「海底資源開発学」といった科目群や「海洋での活動力」系で開講する「システム設計」、「ロボット制御基礎」、「水中ロボット工学」、「海洋構造工学」、「海洋流体工学」、「洋上システム工学」、「海洋計測工学」といった科目群は、海洋分野で「つくる」技術者として必要な知識を習得することを目的としています。
修得した知識を深めるために、各学修体系において「海洋物理学実験」、「海洋化学実験」、「海洋資源学実験」、「海洋エネルギー工学実験」、「メカトロニクス実験」、「ロボットプログラミング演習」、「海洋工学実験」といった実験?演習科目を開講します。加えて「海洋リモートセンシング学」、「数値解析?シミュレーション」など海洋を効率的に解析するために必要な技術に関する科目群を開講します。座学、実験?演習より得られた知識や技術を学生自らの主体的な取り組みを通じて総合的に理解?活用することを目的として「海洋実習3」、「海洋フィールド実習」といったフィールド科目を、卒業研究科目として、6、7セメスターに「海洋理工学ゼミナール」、「海洋理工学研究1」を少人数ゼミナールとして開講し、最終8セメスターで卒業研究を取りまとめる「海洋理工学研究2」を配置します。
高等学校教諭および中学校教諭の一種免許状(理科)に関連して理科教材論、理科教育法1、理科教育法2、理科教育実践論の4科目を配置します。また、測量士補資格に関連して、測量学、測量学実習の2科目を配置します。
学修成果の評価方法
海洋理工学科海洋理工学専攻のディプロマ?ポリシーに示されている「知識?理解」「汎用的技能」「態度?志向性」に関して、ルーブリックによる観点別評価、修得単位数?GPAによる分析評価、授業についてのアンケート等を用いた学生による自己評価により、学修成果の評価を行っています。その集計結果は、FD活動等を通して教育の質向上のためのPDCAサイクルにつなげています。
3アドミッション?ポリシー
求める学生像
海洋学部海洋理工学科海洋理工学専攻の教育目標を理解し、この目標を達成するために自ら学ぶ意欲をもった人材。及び、ディプロマ?ポリシーで求められている能力を、身に付けられると期待できる基礎学力を十分有する人材。
入学者にもとめる知識?技能?思考力?判断力?表現力?態度
(1)知識?技能
理科では、高校での理科(物理、化学、生物、地学)の科目の中から数科目を選択し、個々の項目の内容を理解していることが望ましいです。
数学では、高校での数学の科目の履修を通して公式や計算方法を理解した上で、それらを応用できる能力を身に付けておくことが望ましいです。
英語では、高校での英語の科目の履修を通して文章理解力、表現力、コミュニケーション能力を身に付けておくことが望ましいです。
国語及び社会は、理系の学問を学ぶ上で必要な文化的な知識を幅広く理解していることが望ましいです。
(2)思考力?判断力?表現力
海洋の社会的課題、海洋の環境問題など多様な事象を理解するために、自然科学や社会科学などの広範な知識を総合的に思考し判断しようとする力を有することを期待しています。
(3)主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度
海洋資源開発や環境アセスメント?コンサルタント、海洋土木、造船業界等で活躍するために必要な能力の修得を通して、多様な価値観や立場?役割を理解し、自分と自分以外の人および社会システムと健全な関係を築くことが可能で、物事に対して主体的に取り組む姿勢を有することを期待しています。