海洋学部水産学科の清水宗茂准教授が開発に協力した「潮鰹むすび」が、3月3日から静岡県内の天神屋全店(27店舗)で販売されています。同日には、本学部の学生が天神屋曲金店の店頭で販売に協力しました。「潮鰹」は長期保存のために鰹を丸ごと塩に漬け込み乾燥させた塩蔵品で、正月に神棚へ供える縁起のいい食べ物として1300年以上昔から西伊豆田子地区で作り続けられています。しかし、近年では需要が減っていることから、清水准教授らは地域の食文化を継承し、新たな観光資源として西伊豆の振興につなげようと、昨年9月に「飴元 菊水」と連携して「塩カツオDE塩分チャージ」(塩飴)を開発。今回は静岡県と天神屋が包括連携協定の一環として「潮鰹むすび」を開発するにあたり清水准教授に協力依頼があり、味の改良や成分分析などでサポートしました。
潮鰹むすびは、西伊豆町田子のカサネ鰹節商店が販売する「万能塩鰹茶漬け」をご飯に炊き込み、具にはクリームチーズと潮鰹の刻みを合わせ、青ネギで風味を加えています。店頭販売では、清水研究室の学生とスチューデントアチーブメントセンター?ユニークプロジェクトの「商品開発プロジェクト」に所属するメンバー計4名が、来店者に対して潮鰹の歴史や自ら試食した際の感想を交えながら商品を説明。店頭に並んだ50個の潮鰹むすびは、1時間弱で完売しました。購入者は、「西伊豆の旅館に泊まった時に、朝食で潮鰹のお茶漬けを食べたことがあり、とてもおいしかったことを覚えています。学生さんの説明も分かりやすかったので食べてみたくなりました」と話していました。
清水准教授は、「塩に漬け込むことでうまみ成分であるグルタミン酸などが増えた潮鰹と、発酵食品であるチーズが合わさることでよりおいしさを感じてもらえると思います」と話します。同研究室の本山亮介さん(4年次生)は、「伝統食というと敷居が高そうですが、おむすびなら手に取ってもらいやすい。この商品を通して潮鰹が改めて県内に広がっていけば」とコメント。商品開発プロジェクトの両角史織さん(2年次生)は、「潮鰹に興味があり文献も読んでいたので、この商品が伝統食文化を継承していくきっかけになればうれしい。お客さんの生の声を聞けたことは、私たちの今後の活動につながる経験になりました」と話しました。