ロシアの若手研究者と本学の学生とのワークショップを昨年12月8日に湘南キャンパスで開催し、政治経済学部と教養学部の学生20名が出席しました。この催しは、国際交流基金が実施したロシアの若手研究者向け研修プログラムに協力して企画されたもので、ロシア側から国際関係論を専門としている若手研究者約10名が参加しました。
ワークショップでは最初に、政治学科の藤巻裕之准教授がアジア太平洋地域主義をテーマに講義しました。ロシアや中国を含めたアジア太平洋地域を中心に、第二次世界大戦後の国際秩序の枠組みを紹介。国際秩序は勢力均衡によって維持されるとしたうえで、アジア太平洋地域では経済的な共通利益によって国家間連携組織が形成されている一方で、中央アジアでは国家主権の正当性維持のために国家間連携組織が組織されるなど、地域ごとに違いがあることを説明し、「これらの取り組みによって、地域内の安定が保たれている」と語りました。講義終了後には、参加者同士が地域内協力の現状と今後の課題について語り合いました。
藤巻准教授は、「ロシアの若手研究者も欧米の国際関係論の論文を熱心に読んでおり、彼ら独自の視点だけでなく、共通のテキストを基礎に論点を共有することができ、本学の学生にとっても大いに勉強になったと思います。今後は、国際関係論などを専門にしている他学科の教員や学生も巻き込み、より幅広い議論が展開できる機会を設けていきたい」と話しています。