政治経済学部公開セミナー「AI時代における会計士の役割―その展望と課題―」を開催しました

政治経済学部では12月2日に湘南キャンパスで、政治経済学部公開セミナー「AI時代における会計士の役割―その展望と課題―」を開催しました。会計士協会前会長の関根愛子氏を講師に招き、約30年にわたりBig4と呼ばれる大手監査法人の最前線で活躍してきた経験や見識を踏まえ、AI時代における監査法人や企業の会計士の在り方や働き方、課題や展望を語った。学生や教員ら約130名が参加しました。

関根氏は自身の経歴を紹介した後、会計の概要や簿記、会計基準について触れ、「日本も含めて世界的に国際会計基準の導入が進んでいます。日本でも上場企業3000社以上のうち200社以上が適用しており、株価の時価総額は全体の3分の1に当たることからも大企業が積極的に導入していることがわかります。ITの発達にともない、国際会計基準や監査基準は20年ほど前から徐々に統一する動きがあり、公認会計士の仕事はグローバル化しています」と解説。人口減少や東京一極集中、高齢化といった現状から、「社会保障費が増え、公認会計士が社会福祉法人の監査を担当するなど、仕事の幅は広がっています。国民が経済活動を正しく理解して広く社会で活躍するために基礎的な会計の素養を身につけてもらおうと、学習指導要領の変更にともない中学校では2021年4月から、高校では22年4月から会計に関する授業が取り入れられることになりました」と話しました。

セミナーの本題である「AI時代における会計士の役割」については、「AIに代替できる業務は積極的にAIを活用するべきです。そうすることによって公認会計士は本来行うべき専門家としての判断やコミュニケーションに集中することができます。世の中の仕事は単純なようで複雑ですから、人間にしかできないクリエイティブな部分があるはずです。人口が減少し、働き手が減っている今、AIや各分野の専門家、外部の力など使えるものは積極的に使い、うまく活用していくことが必要になるでしょう」とまとめました。

参加した学生は、「国際会計基準をつくる団体にも日本人が在籍していることも驚きました。想像していた以上に会計士の仕事は幅広く、さまざまな会社とコミュニケーションを取って働いている現状がよくわかりました」と感想を話していました。

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