大学院生が国際会議でポスター賞を受賞しました

大学院理学研究科物理学専攻2年次生の花井啓利さん(指導教員=理学部物理学科?利根川昭教授)が、11月5日から8日まで岐阜県土岐市で開かれた国際会議「The 28th International Toki Conference on Plasma and Fusion Research」に参加。ポスターセッションの学生部門で「The ITC Best Presentation Award for Students」を受賞しました。この会議は、プラズマと核融合に関連する研究成果を発表、共有する機会として、同市に核融合科学研究所が設立された1989年から毎年実施されています。今回から学生部門の賞が設けられ、花井さんを含む3名の学生が選出されました。

花井さんは、「Development of Cs-free Negative Ion Source by Sheet Plasma」と題した研究成果を発表しました。将来の代替エネルギーとして、日本や欧州連合、アメリカなどが参画している国際プロジェクト「国際熱核融合炉『ITER』」は、2025年の運転開始を目指しています。その核融合炉内部のプラズマを加熱するために、中性粒子ビーム入射加熱システム「NBI装置」を用いています。この装置で生成される中性粒子ビームのもととなる「負イオン源」には一般的にセシウムが使用されていますが、花井さんはセシウムを使わない負イオン源の生成方法を検討。bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户独自の技術である「シートプラズマ」を用いて、NBIに代わる装置「TPDSheet-NIS」を開発しました。現在、セシウムを使わない状態で「ITER」の約半分ほどの負イオンビーム電流密度が得られています。ポスター賞の受賞に花井さんは、「これまで東海大でこの研究に取り組んできた先輩方あっての成果なので、国際会議で評価してもらえてとてもうれしい。今後は後輩たちに引き継ぐことになるので、さらにこの研究を発展させていってほしい」とコメント。利根川教授は、「研究を進めるうえで大変なことも多かったと思いますが、困難にも前向きに取り組んでくれて、このような成果を得られたと感じています。大学院生の活躍は大学全体の研究力向上にもつながりますし、国外の研究者と交流できた今回の経験は、社会に出ても役立つと期待しています」と語りました。

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