大学院健康学研究科と健康学部では、6月16日に湘南キャンパスで、アメリカ?メリーランド大学大学院の学生と教員を迎えて研究発表と意見交換、施設見学を行いました。同大学院には老年学や医学、看護学、ソーシャルワークなど幅広い分野を学ぶ学生が在籍しており、超高齢化が進む日本の行政や企業、大学、民間団体の取り組みなどを見て学ぼうと2週間の研修プログラムを初めて企画。その一環で、神奈川県政策局いのち?未来戦略本部室国際戦略グループから紹介を受けて本学部を訪れました。
初めに、本学大学院健康学研究科の学生たちが歓迎の言葉を述べ、有賀誠司教授が本学部や自身の研究を紹介するとともに、年齢による筋肉量の低下などに触れ、介護施設でのトレーニングの様子や変わりゆく日本のフィットネス業界について解説しました。続いて妻鹿ふみ子教授、安田純講師、宮沢正樹准教授、柴田健雄講師が自身の研究を紹介。地域コミュニティーの変化や、筋肉量とタンパク質摂取の必要性、新規抗がん剤の開発、健康バスの取り組みやスマホアプリを使った健康管理などさまざまな内容を解説し、各発表後には大学院生や教員と活発に意見交換しました。その後は本学部の教員と本研究科の学生の案内で5号館の研究機器や施設を見学。体組成や骨密度、筋肉量などを計ったほか、5号館に設置している「ロコモ度テスト」の一つである「立ち上がりテスト」にも挑戦しました。
メリーランド大学大学院の山下貴司教授は、「健康学部の研究はとても幅広く、多彩な視点を得られて、老年学を考えるうえで非常に有意義な時間を過ごさせてもらいました」とコメント。施設案内の企画を担当した小板橋京汰さん(大学院健康学研究科2年次生)は、「ロコモティブシンドロームのように日本で生まれた考え方をどのように説明すれば伝わるか、私たちの研究分野にどうすれば興味を持ってもらえるかを考えながら準備してきました。英語で説明するのは難しかったのですが、皆さん興味津々で聞いてくれてよかったです。今後も協力や交流ができれば」と期待を寄せました。有賀教授は、「学生たちには世界に目を向け、専門分野や英語の学びを深めるきっかけにしてほしいと考えていました。教員同士や学生間の交流を深めつつ、学生には国際学会などにチャレンジするモチベーションにもつなげてもらいたい」と話していました。