「全国猫の島サミット」を開催しました

文理融合学部地域社会学科の前田芳男教授(学部長)と人間情報工学科の村上祐治教授、研究室の学生らで結成したグループ「ねこだんご」が、11月2日に熊本キャンパスで「全国猫の島サミット」を開催しました。このイベントは、保護猫活動などに取り組む団体?個人と情報交換し、猫に関する地域課題の解決方法を検討することを目的としています。当日は、前田教授が司会を務め、オンラインも交えてねこだんごの学生や「猫の島」として知られる熊本県上天草市の湯島、福岡県新宮町の相島(あいのしま)の関係者らが参加しました。

相島でボランティア活動をするNPO法人「SCAT」の山崎祥惠氏と、湯島の猫を世話する林愛子氏が、島の人口と猫の頭数、観光客によるトラブル事例や課題などを紹介。石橋秀行氏(鳥獣保護管理捕獲コーディネーター、農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー)は、課題に挙げられた「猫の観光資源化」に向け、行政への交渉方法を提案。猫を目的に訪れる観光客の算出方法などを解説し、「猫が年間でどのくらいの収益を上げているかを説明し、島独自の財源として認識してもらいましょう」と話し、動物愛護法や薬物の取り扱いについても語りました。また、猫がもたらす教育効果やえさの資金源などに関する議題についても活発なディスカッションが行われました。参加者からは、「悩みや課題を共有できてよかった」「SNSや同人誌などで発信情報発信し、地域猫への理解促進に貢献したい」といった感想が寄せられました。

前田教授は、「猫の島を支えている方たちが、猫を取り巻く状況に相当苦労しているという実態がわかってきました。10月からは毎月22日に『ZOOM22(ズームにゃんにゃん)』という意見交換の場も開いているほか、今後は猫の愛護派と反対派、獣医などの立場になって課題を考えるワークショップも予定しています。皆さんの活動にヒントをもたらす場になれば」と話しました。