健康科学部社会福祉学科では4月30日と5月7日に伊勢原キャンパスで、「社会福祉現場実習報告会」を実施しました。社会福祉士は、体や心の障害や環境上の理由で日常生活に支障がある人々の福祉に関する相談に応じるとともに、医師や看護師など保健医療サービスを提供する関係者らとの連絡調整などを行う国家資格です。資格取得には福祉施設などでの180時間以上の実習が義務付けられており、本学科では福祉事務所や児童相談所のほか、医療機関、老人施設、障害者施設などでの現場実習を開講しています。今回は、2月から3月に実習に参加した4年次生36名が2日間にわたって各自の学びの成果を発表し、4年次生のほか実習を控えた3年次生、各施設の実習指導者など約150名が参加しました。
学生たちは、実習目標や実習計画、事前学習の内容を説明し、実習現場で考えたことや感じたこと、指導を受けたことなどを発表。病院の医療福祉相談室で医療ソーシャルワーカーの実習をした学生は、「医師や看護師のほか多くのスタッフが出席するカンファレンスに同席し、広い視点からクライアントの自立を考えなければならないことを学びました。実習を通して、あらためて自分自身を見つめ直し、長所や短所に気づくことができました」と振り返りました。また、児童自立支援施設で実習した学生は、子どもたちとの信頼関係を築くために実習指導担当職員とのディスカッションを繰り返した経緯を紹介。「子ども同士の問題は、その場の状況だけで判断したり決めつけたりせず、理由や背景まで見極めて対応しなければならないことを実感しました」と語りました。参加者らはそれぞれの報告に熱心に耳を傾け、活発な質疑応答や意見交換が行われました。
報告を聴いた学生は、「自分も実習先でさまざまな悩みや迷いを持ちましたが、発表者がそれをどのように受け止め、対応したかを聴いて励まされました。また、自分が気づかなかった視点からの報告もあって勉強になりました」と感想を話していました。学生の指導にあたった本学科主任の堀越由紀子教授は、「授業で学んだことを実践と結びつけて考えながら実習することで皆さんの学びがより深まったことを感じました。また自分自身と向き合いながら実習に臨んでくれたこともうれしく思います。実習での経験を今後に生かせるよう、さらに深い考察を続けてください」と語りました。