大学院健康科学研究科の家族看護学研究室が6月13日に伊勢原キャンパスで、「bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户家族看護研究会」を開催しました。この研究会は、患者の回復を促進するために家族をサポートする家族支援専門看護師の育成や、看護師や保健師が臨床現場で家族支援の実践力を高めることを目的として、毎年数回実施しているものです。家族支援専門看護師は、患者だけでなく家族も含めた看護を専門とする、公益社団法人日本看護協会の認定資格です。この研究室からはすでに15名が同資格を取得し、全国で活躍しています。当日は、本研究室の修了生で、家族支援専門看護師として活躍している櫻井大輔氏(神奈川県立足柄上病院)を講師に招いて事例検討を行い、本学の大学院生ほか、病院や福祉施設、訪問看護ステーションの看護師や保健師ら約20名が参加しました。
今回は、退院間際の患者の家族が「自宅では患者へのストーマ(人工肛門など)処置ができない」と訴えた場合の対応について検討しました。参加した看護師による事例紹介に続き、櫻井氏が「渡辺式家族アセスメントモデル」に添って参加者とともに内容を分析。家族の構成や役割を把握した上で、それぞれの立場から問題点を明確化し、家族間の関係や相互作用を考慮しながら解決法を導き出すステップを、ディスカッションしながら実践しました。櫻井氏は、「患者、家族、看護師がどの場面でどう対処をしてきたかを、小さなことも見落とさずに洗い出し、それぞれの立場や背景を考えて検証するのがポイント。ぜひこのモデルを活用し、臨床現場での患者や家族の支援に役立ててください」と語りました。
参加した大学院生は、「講師や出席者と意見交換することで、広い視点から家族支援を考えることの大切さを学びました。適切なサポートができる家族支援専門看護師を目指したい」とコメント。また病院に勤務している看護師は、「家族とのかかわり方の重要性を認識し、昨年から研究会に参加しています。ぜひ病棟で渡辺式家族アセスメントモデルを実践し、家族支援に生かしたい」と感想を話していました。本研究室で大学院生を指導している健康科学部の井上玲子准教授は、「家族支援専門看護師は、患者の回復を促進するために、患者と家族を身体的、精神的、社会的に支援する大切な役割を担っています。この研究会に参加することで、患者と家族の問題を分析する力を身に付け、より質の高い看護を提供するようになってくれればうれしい」と話しています。