伊勢原キャンパスの学生相談室では12月18日に松前記念講堂で、2015年度学生相談室セミナーを開催しました。本セミナーは学生の人間形成をサポートするために、さまざまな分野の第一線で活躍している専門家を招いて2002年度から毎年実施しているものです。今回はTA心理研究所所長で臨床心理士の繁田千恵氏(国際TA協会教授会員)が「コミュニケーション力アップ!!―苦手な人と関わるときの3つのヒント―」をテーマに講演し、学生や教職員のほかbet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户医学部付属病院の関係者ら97名が聴講しました。
学生相談室カウンセラーからの趣旨説明に続いて今井裕医学部長が繁田氏を紹介し、「学生が直面するさまざまな問題の相談に応じている学生相談室が開催するセミナーは、今回で14回目になります。本日は心理学や心理療法の理論として有名な交流分析についての講演です。人と人との関係性を理解するためのアプローチを学ぶよい機会ですから、ぜひコミュニケーション力アップにつなげてください」と挨拶しました。
繁田氏は、「人は誰でもそのままで存在する価値があり、よりよく生きる力を持っている」という交流分析の哲学的前提を紹介し、幼少時に親や社会に認められるために身につけた適応スタイルを6つのタイプに分類した人格適応型理論について説明。続いて参加者が簡易版ワークシートを使って自身の人格適応型を判定し、繁田氏が各タイプの典型的な人物を例示しながらそれぞれの特徴や課題を解説しました。また、人が「思考」「感情」「行動」のうち何を重視し、防衛しているかなどを表す「3つのドア」について語り、具体的なコミュニケーションのヒントを提示。「コミュニケーションを円滑に行うには、自分自身や相手の人格適応型や課題を理解することが大切です。人間関係を潤滑にするために、あいさつをするなど自分ができることから始めましょう。お互いのプラスのストローク(刺激)交換が多い職場は活性化しています」と締めくくりました。
質疑応答では参加者から、「同じ言動でも人によって反応が全く異なる理由がわからなかったのですが、お話を伺って納得しました」「相手の反応を過剰に気にしてしまうのですが、どのように対処すべきか教えてください」などの多くの感想や質問が出され、繁田氏が丁寧にアドバイスしました。最後に、沓澤智子健康科学部長からの挨拶をもって閉会となりました。
聴講した学生からは、「思ったとおりの適応型が出て安心しました。自分がどういうタイプかを知ることで、友人とよりよい関係が築けると思いました」(健康科学部1年次生)「交流分析を詳しく知ることができ、大変興味深い内容でした。今日学んだことをグループワークなどに応用していきたい」(医学部3年次生)などの感想が聞かれました。