国土交通省北海道開発局と連携して豊滝除雪ステーションに掲示板などを製作しました

国際文化学部デザイン文化学科の中尾紀行教授のゼミでこのほど、国土交通省北海道開発局からの依頼を受けて札幌キャンパスのある南区内の豊滝除雪ステーション(旧道路情報館)に掲示板と周辺施設のパンフレットを設置するための展示台を製作しました。中尾教授が2013年度から同開発局からの委託で「国道230号協働型道路マネジメント検討委員会」に参加しており、14年度からは中尾ゼミの学生もこの委員会の取り組みに参画しています。委員会では本学との協働で、冬季における除雪車の駐車場のほかトイレ休憩施設として活用されている豊滝除雪ステーションを中心に、国道230号線周辺を安心安全かつ快適に楽しむための道路情報や効果的な地域情報の発信手法についてプロジェクトを組んで検討を進めてきました。掲示板と展示台はその活動の一環としてキャンパス内の工房で製作したものです。

協働プロジェクトでは、昨年9月から地域や道路維持に携わる関係者、中尾教授と学生が出席して計3回のワークショップを実施。協働型道路マネジメントや国道230号線の歴史や使われ方、情報発信の現状について検討したほか、現地でのフィールドワークや地域住民へのヒヤリング、情報発信ツールの検討などを重ねてきました。参加した同学科4年次生の齋藤瑞希さん、吉村穂貴さん、渡邉風樹さんの3名は、これらの活動の成果を受けてステーション内の壁面に設置する掲示板と展示台のデザインについてアイデアを出し合い、中尾教授指導の下、2月末から実際の作業にあたってきました。「普通の掲示板を置いただけでは利用者の方の興味は引けず、見逃されるのではと考え、目を引くように色合いや鏡を取り付けるなどのアイデアを盛り込みました。パンフレットを置く展示台にしても、平らにしてはゴミなどが置かれてしまうとった意見を受け、天板を斜めにするなどの工夫をしてあります」と渡邉さんは話します。

完成した掲示板は、高さ90cm横幅計4m90cmで、台は高さ1m横幅1m70cm。学生たちと中尾教授が現地に持参し、取り付け作業にあたりました。齋藤さんは、「施設の利用者に注目はしてもらいたいのですが、斬新すぎてもほかのものとバランスを欠いてしまうので、アイデア出しには本当に苦労しました。地域の方たちや開発局の皆さんと意見を交わすことで少しずつでも進めてこられたと思います。実際に設置してみて、最初からそこにあったようになじんでいたので、今後も多くの方たちに活用してもらえるのではないかと期待しています」と充実した表情を見せました。中尾教授は、「学生たちは手探りの作業が続く中でも、地元の方たちとの対話を通じて自分たちの思いを込めるだけでなく”社会の中でフィットする”正しい答えを導き出してくれました。掲示板は市販品にあるような縁をなくし、鏡を取り付けるなど学生ならではのアイデアで個性も出せたと感じています」と評価しています。

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