情報通信学部では8月24日に、「デジタル化の本質とデジタル人材の役割 – DX推進の政策展開と国内外動向を交えて – 」と題したFD研修会を対面とオンラインにて開催しました。
GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)によるデジタル破壊が、コロナ渦により一層加速していると言われています。また、経済産業省はソサイエティ5.0に向けてデジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation: DX)を推進し、DXレポート?1で、2025年の壁という衝撃を与えました。このような中で、デジタル人材の育成がより強く求められています。そこで、新たな時代に向けて再出発を始めた情報通信学部の第1回FD研修会に相応しいデジタル教育について、経済産業省でDX推進を担っている和泉憲明室長をお招きし、お話を伺いました。
ご講演では、まず、DXとは何か、単なるデジタル化とはどのように異なるのか、またどのような恩恵があるのかといった内容について、病院で看護師が携行するスマホアプリの例をあげて説明いただきました。スマホアプリは構造化された電子カルテの全項目、およびQRコードに紐づいた院内物流に対応しています。これにより、今まで看護師が行っていた入力作業が、スマホアプリでQRコードをかざし撮るだけに簡素化されました。カルテの電子化から始まり、使いこなされ広く利用されることで、働き方改革が病院全体に広がっていく様子が紹介されました。
Digitization | 単なる電子化 | 紙カルテを電子化するだけ |
Digitalization | 個別業務のデジタル化 | 看護師の働き方改革 |
Digital Transformation | 組織横断/全体の変革 | 医師全員にも配布し、 看護師との連携も改革 |
このようなDXを担うデジタル人材育成について、ビジョンや顧客の真の要求を分析できるような思考力を養う教育の重要性について、現在の産業の状況を踏まえて語られました。最後には質疑応答もあり、大変有意義な時間となりました。
?1) 経済産業省:DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/20180907_report.html