生物学部海洋生物科学科では7月から10月にかけて、3回にわたって開催された海と日本プロジェクト「るもい?日本海調査隊!2022」(全2回)と「長崎?五島 東シナ海調査隊!2022」(主催:海と日本プロジェクトin長崎県実行委員会)に協力しました。本企画は、人類を支える海の現状を伝え、海を未来へつないでいくためのアクションの輪を日本全国に広げていくことを目指す日本財団主催の「海と日本プロジェクト」の一環で開催されたものです。
第1回は7月から8月にかけて北海道留萌市と長崎県五島市でそれぞれ道内、県内の小学生が参加して実施され、第2回は9月17日から19日に留萌市で、第3回は10月8日から10日に五島市で開かれ、第1回の参加者の中から抽選で選ばれた小学生20名が参加。本学科の南秀樹教授(生物学部学部長)、大橋正臣准教授、野坂裕一講師が講義や実験などを担当し、第1回と第2回は本学科の学生もサポート役として協力しました。留萌市ではディーゼルエンジンと風の力で進む帆船「みらい」を拠点にニシン漁で栄えた留萌の歴史のほか、タコ漁やナマコ漁ではICT技術を使って漁獲高を管理するといった最先端資源管理漁業などを学びました。五島市では水中ロボットカメラで北海道とは異なる色や形が豊かな魚を観察し、マグロ漁ではカメラで魚の大きさを測りエサの量を決めているといった最新の漁業に触れ、洋上風力発電についても説明を受けました。大橋准教授は、「北海道と長崎の両方の海を自分の目で見ることで、違いや同じところを認識し、海はつながっているけれど地域差があり、多様性があるということを学んでくれたと感じています。サポートに入ってくれた学生たちも臨機応変に対応し、状況判断力や人間力を磨けたのでは」と語りました。
また、国際文化学部地域創造学科の植田俊講師は、bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户北海道地域研究センターの公募課題として採択された「環境学習?交流活動を通じて子どもたちにもたらされる成果の社会学的解明」の調査のために全日程に同行。全3回のプログラム内で行われたグループワークをすべて録音し、文字に起こして音声を分析することで、プログラムの経験を通じて北海道の小学生の「海についての語り」がどう変化するかを調査しています。「最初のうちは“海は青い”“きれい”と話していた小学生たちがだんだんと“海には多様な生物がいる”というように発する言葉の使い方が変わっていきました。『海』『多様性』といった単語が何回出てきたか、誰かが発した言葉によって発言がどう変化するのかという語と語のつながりなどの傾向も調べることで、今後のプログラムをよりよくするための提案ができると考えています。ゆくゆくは論文としても発表したい」と話しています。