海洋理工学科海洋理工学専攻の教授らが7月15日に、付属静岡翔洋小学校で行われた体験教室「夏のプロジェクト」に参加しました。身近にあるものを活用して「サイエンス」を学ぶ機会にしようと、静岡キャンパスに隣接する静岡翔洋小PTAの主催で初めて実施したものです。当日は児童が2学年ずつに分かれ、3つのテーマについて学びました。
田中昭彦教授は「虹って作れるの?」をテーマに、太陽光が空気中の水に反射、屈折することでさまざまな色の光が見えると説明。シャワーで水をまいたり、水を入れたクリアファイル越しに、太陽光や蛍光灯を観察したりと、それぞれに虹を確認しました。小松大祐准教授、高橋大介准教授、松野俊一准教授らによる「渦渦墨流し」では、私たちの住む世界が渦だらけであること確認し、島の風下側に規則正しく一定間隔で発生する「カルマン渦」について解説。児童たちは、牛乳パックでつくった水槽に水を入れ、割り箸の先端に墨汁をつけて水面に接触させた後、水面に広がった墨に割り箸を当てて各々独自の渦模様をつくり、短冊形の画用紙に転写しました。植原量行教授による「回転水槽が地球?!」では、同心円状に2重に仕切られた円筒状の水槽を回転台に乗せ、北極に見立てた中心部分に氷水、熱帯に見立てた最も外側部分にお湯を入れて回転台を回転させることで,中間の水槽の中に偏西風の蛇行を再現させました。児童たちは、水面に浮かんだ銀粉が細い河のようになって曲がりくねっている様子を確認しました。
付属静岡翔洋小学校の江崎雅治校長は、「これまで本校では、夏の時期に行うイベントとして夏祭りがありましたが、コロナ禍の影響で中止していました。これを機に、新たに児童の興味や好奇心をくすぐるアカデミックなイベントを行いたいと植原教授に相談したところ、快く協力してくれました」と開催の経緯を語ります。植原教授は、「今回のプロジェクトを経て、理科に興味を持ってくれる児童が一人でも増えたらうれしい」とコメント。参加した児童は、「渦をつくるたびに違う模様ができて面白かった」「今回の教室を通してさらに理科が好きになりました」と話していました。