人文学部の恩田教授が静岡市民大学リレー講座で講演しました

人文学部人文学科の恩田裕正教授が、11月10日に静岡市葵消防署講堂で開かれたbet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户5年度市民大学リレー講座で講演しました。本講座は市内にキャンパスがある6大学(静岡大学、常葉大学、静岡理工科大学、静岡英和学院大学、bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户、静岡県立大学)が連携し、「まなびのリスタート」をテーマに講演するものです。

中国哲学を専門とする恩田教授は、「朱子学における“読書”論―『朱子語類』を中心にして」と題し、南宋の朱熹が大成した「朱子学」の考え方を解説しながら、読書のあり方や方法について語りました。朱子学をひも解く上で基本的な文献の一つである『朱子語類』について、「朱熹との問答を門弟たちが記録し、それを後に編纂した全140巻にわたる浩瀚な文献で、朱熹の“生の声”を今に響かせる重要な資料です」と説明し、内容を解説しながら、朱子学における人間のとらえ方や学びの意義などを紹介しました。また、「学問の目的を達成するためには、一つには窮理と呼ばれる努力が必要とされており、その中心が“読書”とされています」と今回の本題に触れ、「朱熹は“読書”について、“決して先に自分の考えを立てず、心を虚しくしなければならない”と説いています。また、“欲張ってはいけない”とも残しており、もし1日に1ページ読めるのであれば、その力を前半の半ページに注ぎ込むなど事例を挙げながら、精読熟読することの重要性を語っています。また、“読まなければいけない本はたくさんあるが、急いてはいけない”とも話しており、理解しやすいものから計画的に内容を身につけていくべきだと教えているのです。朱熹の読書法は、現代でも自身のスキルを磨くためのヒントになり得る方法だと考えられます」とまとめました。