札幌キャンパスでは2月14日から3月14日まで、第4回「研究?作品展示交流会 in SAPPORO 2023」を開催しました。本キャンパスの研究企画?活動委員会が、研究内容や作品の発表する場を設けることで、研究?作品創作活動の活性化を図るとともに、教員間の相互理解を深めることを目的として2020年度から実施しているものです。昨年度から、教員はもとより学生、大学院生による研究活動のさらなる活発化につなげるため学生、大学院生も研究ポスター展示や口頭発表に参加しています。
今回は、ポスター発表と作品展示に国際文化学部と生物学部の教員、学生、大学院生物学研究科の大学院生、合わせて38件が出展。Teamsを利用した要旨の閲覧での交流参加も実施しました。期間中の3月6日には、ポスター前での発表会と口頭発表会を開き、来場した教員、学生にそれぞれが取り組む研究活動について活発に紹介する姿が見られました。
N601教室で行った口頭発表会では約40名の教職員、学生が参加する中、まず研究企画?活動委員会委員長の北夕紀准教授があいさつし、「コロナ禍で私たち教員、研究者の学会への参加も制限を受けたことから、研究内容や作品の発表の場をつくり、同じキャンパスに所属する教員間の相互理解を深めたいと、若手教員が中心となってこの交流会を始めましたが、昨年度からは北海道地域研究センターが共催に加わり、学生、大学院生による研究活動の成果発表も受け入れたことでさらなる活性化が望まれます。来年度は第5回を迎えるということもあり、大規模な催しへと発展させていきたい」と展望を語りました。発表には大学院生物学研究科の大学院生8名が登壇=発表テーマなどは下記を参照。生物学部海洋生物科学科の和泉光則教授も、本学総合研究機構の2022年度「クラウドファンディング型社会発信研究補助計画」に選出され、学術系クラウドファンディングサイト「academist(アカデミスト)」で研究資金の寄付を募って実施した「北見薄荷(ハッカ)の歴史を語り継ぐ人たちの熱い想いを化学教材に残したい!」と題した研究について、その成果を紹介しました。各研究発表後の質疑応答の時間では、教員や学生からより詳しい説明を求める質問が相次ぐなど活発な議論が交わされました。
続いてポスター?作品発表と口頭発表会の参加者による投票で選ばれた優秀賞の表彰式を実施。「稚ナマコの移動能力と摂餌活動に関する実験的検討」のテーマで口頭発表した田中海さん(大学院生物学研究科2年次生)と、「稚ナマコの行動特性に関する研究」でポスター発表した中川恵佑さん(同1年次生)に網野真一札幌キャンパス長から表彰状が手渡されました。また、作品賞には「karus stool(カルシ スツール)」を出展した国際文化学部デザイン文化学科3年次生の星野聖さんが選ばれました。
最後に閉会のあいさつにたった網野キャンパス長(北海道地域研究センター所長)は、「多くの学生がさまざまな目標をもって大学に入学してきますが、大学では特に研究が重要であると考えています。教員は専門の知識やスキルを学生にどう身に着けてもらうかということに軸足を置かなければなりません。そうして教員と学生、大学院生が一緒になって研究に取り組めば大学の活性化につながります。面白おかしく、楽しいことばかりではなく、苦しいことも乗り越え、成果につなげることこそが大学です。来年度以降も学生や教員間でさらに活発な質問が飛び交う交流会になることを期待しています」と話しました。
口頭発表会の内容は下記の通り。※発表順
「稚ナマコの成長差の出現とその対策に関する研究」 大学院生物学研究科生物学専攻2年次生 田中 海さん
「北海道噴火湾におけるカマイルカの出現と分布予測」 大学院生物学研究科生物学専攻2年次生 黒崎菜摘さん
「クマゲラにおける冬季の摂餌木選択と摂餌場適地推定」 大学院生物学研究科生物学専攻2年次生 猿舘聡太郎さん
「流体力学的形態解析のための3Dモデルの検討」 大学院生物学研究科生物学専攻1年次生 須田さくらさん
「スールー海およびその周辺海域における生物活性微量金属元素の堆積過程」 大学院生物学研究科生物学専攻1年次生 佐藤 航さん
「繫殖期におけるシジュウカラの滞巣率の変化と外気温の関係」 大学院生物学研究科生物学専攻2年次生 山﨑 駿さん
「シジュウカラの尾脂腺分泌物の季節変化と繁殖期における卵表面への移行」 大学院生物学研究科生物学専攻2年次生 佐川南美さん
「活動報告:東アジアの鳥類の渡り経路におけるダニ媒介感染症に関する国際共同研究」 大学院生物学研究科生物学専攻研究生 石倉日菜子さん
「クラウドファンディングを利用した社会発信を伴う研究の一例―北見地方の薄荷を伝える人たちの想いを教材化する試み―」 生物学部海洋生物科学科 和泉光則教授