国際原子力研究所では3月8日に湘南キャンパスで、「国際原子力研究所着任セミナー」を開催しました。同日に開かれた本学の研究者交流イベント「研究Day 2023」の一環として実施したものです。今年2月に着任した夏目祥揮講師が「核融合周辺プラズマの研究紹介と今後の展開について」をテーマに講演しました。
初めに本研究所長の稲津敏行副学長があいさつし、夏目講師の経歴を紹介すると共に今後に向けた期待を述べ、続いて夏目講師が登壇。名古屋大学大学院工学研究科電気工学専攻および量子科学技術研究開発機構那珂研究所ITER部計測開発グループで取り組んできた核融合研究について紹介しました。「化石燃料の枯渇が懸念される中、人類は新たなエネルギー源を獲得せねばならず、カーボンニュートラル実現の鍵としても核融合発電への注目は高まっています」と語り、那珂研究所にある世界最大のトカマク型核融合装置「JT-60SA」、日本を始めアメリカや中国、韓国、インド、欧州連合などが参画する国際熱核融合実験炉ITERなどを解説。さらに、核融合炉に不可欠な技術である周辺プラズマ制御をはじめ「“ダイバータプラズマ物性”理解のための“計測?解析技術の高度化”に関する研究」や「統合輸送コードによる非接触プラズマの再現」といった研究の成果を紹介し、「核融合研究の魅力は科学技術の総合体である点にあります。横断的分野に対応できる確実な基礎力や、研究課題を解決する卓越した専門力を習得し、産業界でも必要なさまざまな知識?技術の素養を身に着けます」と語りました。