総合農学研究所の今川和彦所長が11月9、10日に金沢市内で開催された第68回日本生殖医学会学術講演会?総会のシンポジウム1「胎盤の形成と形成細胞及び妊娠成立のための免疫機構の新知見」で座長を務めました。「次世代に紡ぐ生殖医学」をテーマに開かれた同学会は、生殖医学に関連する基礎系の学会や臨床系の学会とコラボレーションしたシンポジウムなどが実施され、基礎から臨床まで幅広い領域の会員がディスカッションを交わしました。
ライフサイエンス、獣医学が専門で妊娠のための子宮内環境の構築と再構築に関する研究に取り組んできた今川所長は、シンポジウムの冒頭であいさつし、「本総会の会長を務める藤原浩先生(金沢大学教授)からシンポを計画してほしいとご依頼いただいた際に、その時に一番お話を聞きたいと考えていた4人の先生方を選び、講演をお願いしました」と語り、登壇者を紹介しました。続いて行われたそれぞれの講演※では進行と質疑応答を取り仕切り、自らも実験内容や紹介された研究成果について登壇者に質問。今川所長の専門であるウシの胎盤形成に話題が及ぶと登壇者と共に回答しました。
今川所長は、「胎盤形成からヒト免疫寛容機構、最後にはウシの免疫機構と続く講演は一見つながらないように考えられましたが、内在性レトロウイルス遺伝子―胎盤細胞―ヒト生殖免疫―ウシ生殖免疫が見事につながったシンポジウムとなり、シンポジストだけではなく、企画側もとても有意義な時間となりました」と話しています。
※登壇者は下記の通りです
第68回日本生殖医学会学術講演会?総会
シンポジウム1「胎盤の形成と形成細胞及び妊娠成立のための免疫機構の新知見」
座長 今川和彦所長(bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户総合農学研究所)
胎盤形成と機能に関わるレトロウイルス由来の遺伝子について 石野史敏氏(東京医科歯科大学統合研究機構)
遺伝子からひも解くヒトとマウス胎盤の対応関係 岡江寛明氏(熊本大学発生医学研究所)
ヒト絨毛外栄養膜細胞による新規の免疫寛容誘導機構 飯塚崇氏(金沢大学医薬保健研究域医学系産科婦人科学教室)
ウシ子宮内におけるIFNTに始まる受精卵認識:自然免疫によるセンシングと増幅機構 宮本明夫氏(帯広畜産大学グローバルアグロメディシン研究センター)