大学院人間環境学研究科では、10月27日にオンラインでFD研修会「SDGsの学びづくりを考える~付属大阪仰星高校?中等部 team Gyosei for SDGs」を開催しました。本学では建学80周年にあたる2022年4月に向けて、「日本まるごと学び改革実行プロジェクト」と題した全学的な改組改編を構想しています。教養学部人間環境学科と大学院人間環境学研究科ではSDGsをコア概念にしたカリキュラム編成を予定しており、今回の研修会では、中高一体となって先進的にSDGs教育を展開する付属大阪仰星高校?同中等部の事例を参考に、より充実した教育環境を整備しようと開催したものです。
当日は、教養学部やスチューデントアチーブメントセンターの教職員ら約30名が参加。初めに大学院人間環境学研究科の勝田悟研究科長があいさつし、「社会からのSDGsへの関心は日に日に増しており、考え方も広がりを見せています。私自身も今日の研修会を大変楽しみにしていました。いい議論が展開され、今後につながることを期待しています」と話しました。続いて、大阪仰星高の加納尚子教諭と同中等部の山崎智代教諭が中高それぞれで展開している事例を紹介。加納教諭は、「本校では高校現代文明論の中で、SDGs教育を推進しています。この冬には毎年実施している『高校現代文明論の旅』で湘南キャンパスを訪問する際に、江の島や猿島にも足を運んで環境や観光事業などについて学びながら、SDGsについての知識を深める予定です」と発表。さらに、「授業外でも生徒が主体的にSDGsに関する活動を展開しています。生徒会のメンバーが中心となって活動する『GAfSS(Gyosei Actions for Sustainable Society)』では、学校のある枚方市とタッグを組んで、高校生サミットなどを通じて地域課題の解決に取り組んでいます」と説明しました。山崎教諭は、「中等部では、総合学習の時間を活用してSDGsへの学びを深めています。20年9月に2年生の生徒たちが、枚方青年会主催のまちづくりコンペ『枚方景画』に参加。11月には枚方市の商業施設『枚方ビオルネ』による協力のもと、SDGsの17テーマと関連付けながら市内の課題を探るフィールドワークを実施しました。翌年3月には成果発表会も実施し、多くの方に足を運んでもらいました」と報告し、「活動中には教員はできるだけ口を出さないように意識し、生徒の独創的な発想力を伸ばすように心がけています。今後は、大学の先生方との連携もさらに深めていきたい」とまとめました。
研修会のコーディネーターを務めた岩本泰教授(教養学部)は、「学園内外を問わず、さまざまな教育機関でSDGsに関する講演をしていますが、なかなか生徒たちが主体的に活動できているケースは少ないのが現状です。付属校生が本学に進学し、中高で学んだ力を発揮しながら授業や活動の先頭に立ってくれることを期待しています。今後も学園のスケールメリットを生かした教育活動に力を注いでいきたい」と話しています。