大学院生がまとめた論文が国立研究開発法人国際農林水産業研究センターのオフィシャルホームページで紹介されました

大学院地球環境科学研究科(博士課程)3年次のチン リーケナさん(カンボジア出身)がまとめた研究論文が、国立研究開発法人国際農林水産業研究センター(JIRCAS)のオフィシャルホームページで紹介されています。

論文のテーマは、チンさんが本学海洋学部の齋藤寛学部長や石川智士教授らとともにまとめた「ほとんど分かっていなかったカンボジアの海面小規模漁業を解明する」です。世界で過剰な漁獲が進む中、持続的な海洋資源を確保するためには魚種別漁獲量や操業実態を把握することが求められています。しかし、開発途上国において漁業管理の基礎データとなる漁獲統計は、大規模漁獲を対象にしたものばかりで、小規模海面漁業についてはほとんどデータがまとめられていない状況でした。チンさんらは、カンボジアを対象に漁業者数や漁法、季節ごとの魚種の漁獲量、労働実態などについて調査。地域によって使われる漁具が少し異なることや漁家の女性や子どもたちが、漁獲物の流通販売だけでなく、漁そのものにおいても重要な役割を果たしていると明らかにしました。

本テーマの共同研究者で、JIRCAS水産領域長の宮田勉氏は、「本センターは、熱帯や亜熱帯に属する地域を中心に、開発途上地域における農林水産業に関する技術向上のための試験研究を行っていますが、今回の研究で得られたデータは過去に類似するものが少なく、カンボジア沿岸漁業の持続可能性を高めることに寄与する研究データです」と話しています。

JIRCASのオフィシャルホームページは下記リンクを参照
Pick UP「ほとんど分かっていなかったカンボジアの海面小規模漁業を解明する」 
https://www.jircas.go.jp/ja/program/proc/blog/20220315