2022年度の「九州キャンパス教育活性化プロジェクト成果発表会」を、3月6日にオンラインで開催しました。九州キャンパスの各学部学科、農学教育実習センターの教職員が主体となり、地域社会に対して魅力ある教育活動の展開を推進することで、学生の学習効果の向上や地域社会で活躍する人材の育成につなげようと2008年度から2019年度まで、「九州キャンパス教育活動支援プログラム」として実施してきました。2020年度からは、「九州キャンパス教育活性化プロジェクト」として内容を刷新。本学が掲げる「Quality Of Life(QOL)の向上」に向けた行動目標の中の「4つの力を身につけた人材の輩出〔教育〕」および、「地域との連携、地域での活動等、地域の活性化につながる学生主体の取り組み」を踏まえた地域または世界で活躍する人材の育成を目指しています。今回の成果発表会では今年度採択を受けた「アグリ実学スキルアップ支援プログラム(略称:アグラップ)」と「地方創生チャンネル『仮称:TX(Tokai Transformation)チャンネル』を活用した文理融合型地域魅力開発プロジェクト」の2件について活動成果が報告されました。
発表会ではまず、木之内均九州キャンパス長が、「アグラップは活動を始めて10年が経ち本キャンパスの中でも歴史ある活動に育っています。一方のTXチャンネルは今年度から始まった新しい取り組みですが、ともに大きな期待を持って活動を見守ってきました。1年間の成果を共有し、キャンパスのさらなる活性化につなげてほしいと考えています」とあいさつしました。
続いてアグラップを代表して農学教育実習センター長の吉田政博教授(農学部農学科)が、栽培?飼養?食品加工などについて自らの技術?知識の向上を目指すプログラムについて紹介するとともに、参加人数や地域資源循環活用型プログラム、実習センターで栽培?加工した農産品を読売ジャイアンツの宮崎キャンプに届ける「原監督応援企画」など多岐にわたる活動の成果を披露。「学びを社会還元につなげる実践応用型プログラムでは、『農ある仲間,土ほぐす福幸プロジェクト』と題して2023年度の開設を予定している阿蘇くまもと臨空キャンパスの圃場でヒマワリを栽培するなどさまざまな活動を展開することができました」と語りました。また、参加学生へのアンケートの結果、満足度や理解度が高かったことなどから、「実学スキル向上と自発的学習機会の拡大につながっており、学生が自発的?能動的に協力し合って取り組んでいます。さらに、日本農業技術検定の資格取得へ向けたアドバンテージを得られることからキャリア教育の側面も持っています」と語りました。
続いて、TXチャンネルの活動を代表して文理融合学部地域社会学科の荒尾千春教授が報告。九州キャンパスの教員や学生による地域貢献活動を発信する「TXチャンネル」を開設し、学生が企画から撮影、編集、発信に至るまで一連の流れを経験するとともに、本キャンパスの活動を世に広く伝えていくことを目指したプロジェクトの取り組みについて、まず同学科の1年次生が入学した今春から始動し、企画内容の検討とともに元テレビカメラマンの松﨑勝巳氏を講師に招いた動画撮影や編集のポイントに関する講義の様子を紹介しました。取材第1弾として昨年11月には、人口約300人に対し約200匹の猫が暮らす熊本県?湯島で「猫ファースト」の観光地域づくりをテーマに調査?研究を行っている前田芳男教授とゼミ生に同行し湯島を訪れた様子や、熊本県?長洲町研修センターで開かれた「ながすこども100人会議 デジタルとアナログの融合体験」での取材についてその成果を披露し、「動画制作技術の習得をはじめ、地域での実践活動を通じて大学における学びの専門性を発見する機会になりました。学生たちから今後の活動に向けた意欲あふれる声も寄せられており、将来的にはキャンパス横断的に地域貢献に特化した情報発信ツールにしていきたい」と展望を語りました。
当日は教職員約50名が出席。質疑応答では、教職員から数多くの質問が寄せられ、学部間の協力体制や他学部学生への参加等の広報あり方について活発な議論が展開されました。