「漁する女子ジャパン」がTBTI Philippinesと交流会を実施しました

海洋学部水産学科の李銀姫准教授がコーディネーターを務める「漁する女子ジャパン」が、2月1日に静岡キャンパスで「TBTI Philippines」との交流会を行いました。TBTI Philippinesは、Too Big To Ignore(TBTI)グローバルパートナーシッププロジェクト(本部:カナダ?ニューファンドランドメモリアル大学)の活動の一環です。今回の交流会は、日本の小規模漁業組織の管理やガバナンス、関連政策?制度などを学ぶための来日に合わせて李准教授が企画したものです。

2部制で実施した当日は、TBTI Philippinesのメンバーを学生や地元漁業関係者ら約30名が歓迎。李准教授が、「フィリピンの沿岸漁業や小規模漁業を研究するTBTI Philippinesは、フィリピン大学を中心とした30以上の大学の関係者によって、2023年度に立ち上げられました」と紹介しました。第1部の講演では、初めに人文学部の関いずみ教授が登壇。「漁業?漁村と女性」と題して日本の漁業において女性が担ってきた役割や、各漁村の女性組織による取り組みを解説しました。続いて、フィリピン大学副学長のアリス?ジョン?フェラー氏より、同大学の学生がフィリピンの漁村地域に住む女性たちにインタビューをして制作した動画を上映しました。各講演終了後の質疑応答では参加者から多くの質問が寄せられ、活発な議論が交わされました。

第2部のワークショップでは、フェラー氏がペットボトルなどのプラスチックを使ったアートを紹介。参加者たちは魚の形に切り抜いたプラスチックを、ペンやマニキュアなどで彩り、釣り糸でつないだ作品を作りました。参加者は、「子どもが魚好きなので家で魚の絵を描いたり、魚拓を取ったりしていましたが、プラスチックを使ったアートは初めて。海外の方のアイデアが新鮮で面白かったです」と話していました。

また、1月25日から2月2日までの来日期間中は、李准教授がディレクターを務める「TBTI Japan」が、TBTI Philippines一行を全国漁港漁場協会や水産庁、静岡市の由比漁港や用宗漁港、焼津漁港などに案内しました。交流会当日の午前中には、海洋学部の齋藤寛学部長らの案内で、清水港に停泊している本学の海洋調査研修船「望星丸」も見学。フェラー氏は、「日本の漁業に関するさまざまな場所を訪問でき、非常に勉強になりました」と話していました。

交流会に参加した松岡翼希さん(海洋学部4年次生)は、「フィリピンでは、小さな子どもが地域の漁業を手伝う習慣があることが印象的でした。日本の漁村地域では後継者問題が課題となる中、小さいころから漁業に関わることは、文化を継承していくための方法の一つだと感じました」と話していました。李准教授は、「今回の企画を通して、フィリピンの方々に日本漁業の現場を知ってもらえてうれしい。今後もTBTI Philippinesならびにフィリピン大学とさらに交流を深めていきたい」と話していました。