熊本キャンパスで11月1日から3日まで、建学祭「第44回東熊祭?数鹿流祭」を開催しました。例年、東熊祭は熊本、数鹿流祭は阿蘇の各キャンパスを会場に実施してきましたが、今年4月に発生した熊本地震で農学部と大学院農学研究科の拠点である阿蘇キャンパスが大きな被害を受けたため、農学部生らが現在熊本キャンパスで学んでいることを受け、同キャンパスでの合同開催となりました。今回のテーマは「みんなの心を結べ!今こそ一致団結」で、本学にとどまらず、被災した熊本県全体の復興への願いと、両キャンパスの学生間の交流を深めようという思いが込められています。
期間中は、1日に阿蘇キャンパスで毎年行われてきた「スガリンピック(運動会)」を熊本キャンパスの第1グラウンドで実施したほか、各学部学科の展示企画がスタート。2日からは両キャンパスの学生サークルが日ごろの練習の成果を披露するステージ企画や模擬店も始まり、芸能人お笑いライブでは「野性爆弾」や「もっこすファイヤー」、「スリーナイン」「メタルラック」が登場し、集まった学生や地域住民の皆さんの笑顔があふれました。ステージでは、隣接する付属熊本星翔高校の吹奏楽部とチアリーディング部のパフォーマンスや、3日には西原地区の皆さんによる恒例の「餅つき」やステージでの『フラダンスショー』で始まり、タレントの武井壮さんによるスペシャルトークショー、東熊祭の恒例行事「女装コンテスト」などが行われ、各企画で盛り上がりを見せました。また、室内の展示では各学部学科やチャレンジセンターの各プロジェクト、サークルなどが日ごろの学生活動や研究の成果を披露したほか、基盤工学部電気電子情報工学科が地域の子どもたちを対象に「ものつくり教室」を開催。多数の来場者でにぎわいました。
さらに、新1号館ロビーには震災後の学生たちの元気な姿を伝えようと、両キャンパスの学生会代議委員会が企画した、「写真モザイクアート」を展示。これは、代議委員会の呼びかけに応えた学生たちが持ち寄った約6000枚にも及ぶ写真を使って、熊本キャンパスの風景と阿蘇キャンパスの学生たちの笑顔に加え、「新たな一歩を」のメッセージを記した5m四方の大作です。「キャンパス間の交流と協力の証を形に残したい、学生の復興に向けた活力を地域に発信したい」との思いが込められた作品は、期間中来場者の注目を集めました。また3日には、阿蘇キャンパスの総合農学実習センターの農場で今も育てられているニンジンやダイコン、サツマイモなどの農産物や、数鹿流祭実行委員会のメンバーが同センターの加工場で手作りしたベーコンも販売。開始直後から長蛇の列ができ、来場者の好評を得ました。
東熊祭実行委員長の溝口恭平さん(基盤工学部2年次生)は、「初めての合同開催ということで準備不足な面もありましたが、期間中の会場はいつも明るい雰囲気で、多くの方に楽しんでいただけたのではないかと感じています。今回の反省点も生かしながら、来年度も成功できるよう引き継いでいきます」と話します。数鹿流祭実行委員長の重久弘喜さん(農学部3年次生)は、「数鹿流祭のフィナーレを飾る『餅まき』を、熊本に移っても実現できてほっとしました。熊本の学生たちとも協力して4カ月間準備してきたことが発揮でき、熊本?阿蘇の学生の元気な姿を、県内外問わず多くの方たちに伝えられたのではないかと思います」と充実した表情で語りました。