観光学科の片岡准教授と学生たちが神奈川県中井町でフィールドワークを行っています

観光学部観光学科の片岡勲人准教授と学生たちが、神奈川県の中井町役場から依頼を受けて同町でフィールドワークを行っています。同町では、近年、民間業者が山間部の農地でオリーブ栽培に取り組み始めたことに着目し、地域活性化につなげられないかと「オリーブを活用した観光施策の企画提案」を本学に依頼。これまで、中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本)と連携して新東名高速道路のドライブプランを開発するなど実績のある片岡准教授とゼミ生、「シティプロモーション演習」および「ランドスケープ論」の受講生で取り組むこととなりました。

学生たちは8月10日に1回目のフィールドワークを実施し、震生湖や中井オリーブ園、中井中央公園、厳島湿生公園など同町の観光資源を見学しました。10月10日にはNPO法人湘南ベルマーレスポーツクラブが主催する、オリーブ園や中央公園を活用したアクティビティの体験ツアーに参加。オリーブ園地周辺のMTB(マウンテンバイク)コースを電動アシスト付きMTBで走行体験した後、中央公園にある地域最大級のピザ窯でピザ作りを体験しました。

3回目の10月31日には、町役場産業振興課の職員から町の観光資源や観光振興の課題などについてレクチャーを受け、学生たちもそれぞれの企画テーマを伝えて意見交換。職員から、「魅力ある観光資源が少なく、鉄道駅がないので公共交通がウィークポイントです。その反面、高速道路のICやPAがあり、道路交通網が整備されていることから、車利用の来訪者が多い」といった特徴を聞き、関根帆涼さん(3年次生)は、「“中井町だけで完結するのではなく、目的地に向かう途中に訪れる場所という視点も含めて考えてほしい”と言われたので、他地域とも結びつけて考えたい」と話しました。その後、町内のパン屋で出来立てのパンを購入し、町が推奨する散策コース沿いにある休憩所で昼食をとり、休憩所前のみかん園でみかん狩りも体験しました。オリーブ園では園を管理する株式会社ファームビレッジ湘南の役員で認定オリーブオイルソムリエの資格を持つ市川和代氏から、栽培しているオリーブの品種や特徴などについて説明を受けました。

大沢玲未さん(同)は、「品種の異なるオイルを混ぜ合わせ、豆腐やかまぼこをはじめ日本食に合うオリーブオイルを考えて作っていると聞いて驚きました。オイルと食事の組み合わせも考えて提案できれば」と意欲を見せました。齋藤大興さん(同)は、「E-バイクを使ったサイクルツーリズムを考えていましたが、オリーブは根を痛めると腐りやすく、園に入れない時期もあると聞きました。周辺地域でできるスポーツを含めてプランを企画したい」とコメント。町役場の職員は、「学生さんの柔軟で多角的な視点や片岡先生の専門的、学術的な知見から、新たな価値を見出していただけることを期待しています」と激励しました。

学生たちは11月中旬にもう一度フィールドワークを実施して企画案をまとめるとともに、片岡准教授がオリーブ園を中心とした鳥瞰図を制作。28日に中井町長やオリーブ園関係者らに向けて提案する予定です。