人文学部の学生たちが考案した焼津温泉の源泉を使ったせっけんのワークショップを開催しました

人文学部人文学科の学生たちが考案した静岡県焼津市の焼津温泉の源泉を使ったせっけんを、11月25日に同市の元湯なかむら館で開かれたイベント「なかむら館DE Marche」でワークショップを開催しました。温泉や海洋療法による地域振興などが専門の斉藤雅樹教授が、同館の植田正樹社長から焼津温泉の認知度向上を図るための温泉を使った商品開発について相談を受けたことがきっかけとなり活動を開始。その中で、家庭で手軽に使えるせっけんの開発に向けて昨年9月から本学部1期生の約15名が活動に参加し、月1回のペースで同館に集まって検討を重ねてきました。

学生たちはこれまで、材料や製法をはじめ、商品コンセプト、ターゲットなどを議論し、カラフルな見た目で、泡立ちの良い商品を開発しました。斉藤教授は、「せっけんの製作工程では通常、塩を入れて製品を長持ちさせますが、焼津温泉は元々塩分を多く含んでおり製品が安定しやすいことが特徴。ご家庭でも気軽に温泉の効能を楽しんでもらえるのでは」と話します。「温泉せっけんを作ろう」と題して来場者に製作体験をしてもらうワークショップでメンバーたちは、来場した子どもたちにも分かりやすく作り方を教え、用意した型枠に小さく色づけしたせっけんを置き、その上に溶かしたせっけん液を流し込む作業をサポートしました。山元一華さん(2年次生)は、「商品開発に興味があり、プロジェクトに参加しました。せっけんの大きさや形状などを話し合い、試作を重ねたことで、試作品はカラフルでかわいらしく、宝石のようなデザインにできたと思います。また、ワークショップでは多くの子どもたちに製作を体験してもらえました」と話します。

学生たちの活動を見守った植田社長は、「学生の皆さんには館内のカフェで提供するメニュー開発にも協力いただいており、若者ならではの自由な発想でアイデアを出してくれて、非常に刺激を受けています」と話します。斉藤教授は、「本格的な商品化に向けた作業はこれからになりますが、今回のお客さまたちの反応を参考にして、色や香りなどの検討をさらに進めていきます」と今後の展望を語ります。また、学生たちには「大学はとかく“研究のための研究”や“勉強のための勉強”の場になりがちですが、自らのアイデアを『社会実装』するこの活動を通じて、社会とつながる得難い経験を積んでもらいたい」と期待を寄せています。