bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户海洋科学博物館で12月3日に、オリジナル講座「三保だってアカウミガメの産卵地」を開きました。静岡キャンパスの学生を対象に、身近な海にやってくるアカウミガメとそれを取り巻く自然について知ることで、人と海との間にある課題を見つめる目的で企画したものです。静岡キャンパスと博物館がある三保半島を含む静岡市沿岸は、アカウミガメの貴重な産卵地です。現在は安全な産卵地が少なくなり、博物館では静岡市と共同で卵の保護活動に取り組んでいます。
当日は13名の海洋学部生が参加。まず、冨山晋一学芸員が「静岡市の海岸は浸食が激しく進んでおり、アカウミガメの産卵が難しくなっている。そのような状況を知り、日本のウミガメを取り巻く環境について興味と関心を持ってもらえれば」とあいさつしました。続いて太田勇太学芸員が登壇。「アカウミガメってどんなカメ?」と題して講義し、カメ目の分類や、世界に棲息する7種類のウミガメ類のうち5種類が日本で見られることを紹介。参加者は博物館が所蔵する剥製や骨格標本などを観察し、種類の見分け方や特徴などの説明を受けるとともに、ウミガメにとっては日本が北太平洋で唯一の産卵地であり、絶滅の危機にある現状についても学びました。
さらに、犬木義文学芸員が「静岡市におけるアカウミガメの産卵と保護活動」をテーマに、2005年から静岡市と博物館が共同で実施しているアカウミガメの保存対策事業について紹介しました。犬木学芸員は、近年の産卵状況や卵の保護の必要性を判断するための基準について解説。産卵地の状況と卵を保護するための移植について、両面からリスク評価が必要であると説明しました。
その後は海岸に出て、「その卵、あなたなら保護する?」と題したフィールドワークも実施。学生たちは4グループに分かれ、冨山学芸員の指導で、海からの距離や漂着物?植生の有無、砂の状態や街灯など光源の有無といったチェックポイントに基づき、アカウミガメの産卵場としての適性を検討。グループごとに卵を保護するか移植するかの判断とその理由を発表しました。学生からは「周囲が暗い新月のときでも孵化するのか」「砂の温度が28℃を境にオスかメスかが決まるそうだが温度の上限と下限は?」などの質問が上がり、冨山学芸員は質問に答えながら「ウミガメとの共存に向けて、まず現状を知ることが大切。産卵に適した環境への劇的な改善は困難でも知識は行動の源になります。本講座をそのきっかけにしてほしい」と話しました。
講座終了後は、冨山学芸員と犬木学芸員の案内で博物館のバックヤードツアーも実施。水族館の学芸員を目指す学生もいる中、仕事の詳細などを交えながら大型水槽やさまざまな設備を案内しました。参加した学生からは、「三保の海岸でウミガメが産卵していると知って驚きました。産卵に適した環境づくりについて考えたい」「環境保護と生態系の保全の大切さを実感しました。知れば知るほど新たな疑問もわいてくるので、これからも人間とウミガメの関わり方について考え続けたい」と話していました。