第4回bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户ヨーロッパ学術センター開設50周年記念QOLセミナーをオンラインで開催しました

bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户では12月14日に、第4回bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户ヨーロッパ学術センター開設50周年記念QOLセミナー「QOLと高齢者へのケア~文化の違いに見いだされるデンマークと日本のケアの質~」をオンラインで開催しました。本セミナーは、日本とヨーロッパ諸国との学術?文化交流の促進を目的として1970年にデンマーク?コペンハーゲンに開設したヨーロッパ学術センターの開設50周年を記念したものです。4回目となる今回は、本センターと本学健康学部による初めての共同企画としてWEBビデオ会議システム「Zoom」を使って実施し、認知症患者に対するケアを専門とするVIA大学准教授のレェッゲ?グリガセン氏と、健康学部健康マネジメント学科の阿部正昭教授が講演。約120名が聴講しました。

本センターのヤコブ?スキュット?イエンセン副所長による進行のもと、まず本センター所長で本学の吉川直人副学長があいさつし、「今日はデンマークと日本の高齢者ケアについてうかがい、自国の高齢者ケアがどのように行われているかを深く理解するきっかけになれば」と語りました。続いてグリガセン氏が、「デンマークのQOLと高齢者ケア~介護が必要な高齢者へのサポート~」と題して講演し、同国ではすべての人は資源へのアクセスにおいて平等であるという価値観から教育、医療、社会サービスはすべて税金で賄われており、高齢者のケアスタッフは無料で専門的な教育を受けられるといった現状を報告。一方で、社会の高齢化や介護職に有能な人材を集められないといった課題に触れ、「老人ホームのスタッフがアプリケーションを活用して利用者の情報を共有し、医療や診療もオンラインで受けられるなどデジタル化が進んでおり、在宅ケアで活用できる商品を体験できるテクノロジーライブラリーも充実しています」と話し、「テクノロジーの導入は介護者の先入観や倫理観で決めるのではなく、利用者をよりよくサポートするものでなくてはならない」とまとめました。

続いて阿部教授が「日本の高齢者介護と触れるケア~触れるケアによるコミュニケーションの工夫~」をテーマに、日本で注目されている4つの認知症ケアを紹介。特に利用者の手足や背中を柔らかく包み込むように触れることにより、不安や痛みを緩和する「タクティールケア」について言及し、「着替えや排泄、移動の介助などで実際に施設利用者に接する場面では、指と指を開いた状態で触れるとケアされる側には無神経で冷たい感覚が伝わってしまいます。手のひらの面で広く触れることで柔らかさや温かさ、配慮を伝えることができます」と説明し、「日本の介護の現場では傾聴や声かけ、見守り、心の動きに寄り添うという4つのコミュニケーションを大切にしています。これらの“寄り添うケア”には、以心伝心や阿吽の呼吸を大事にする日本ならではの背景があるのではないでしょうか。安心や心地よさ、愛情、信頼を伝えるケアが重視されています」と解説しました。

質疑応答では参加者から「ユーザーが使いたいと思う商品を開発するためにどのような工夫をしているのか」「両国で高齢者の現場に福祉技術を取り入れるにはどういう障壁があるのか」といった質問が寄せられ、登壇者がそれぞれの国の事例を紹介。続いて健康学部の堀真奈美学部長と本学の山田清志学長がセミナーを振り返ってコメントし、堀学部長は、「文化的な文脈、背景によって、ケアの実践やICTやロボットなどのテクノロジーの導入の受け止め方にも異なる側面があることがわかりました。他方、パーソンセンタードケアにいずれも重きを置かれているという共通の側面もありました。デンマークは約20%、日本は約30%と高い高齢化率になっていますが、ケアの質の確保は、人口動態を考えると、人材確保が困難になることからこれまでより重要な課題になるのではないかと思います。今後もお互いのいいところを学びながら連携が進むことを期待します」と話しました。