アゼルバイジャン共和国移民対策国家委員会(The State Committee on Work with Diaspora of the Republic of Azerbaijan)のフアド?ムラドフ委員長らが、6月11日に湘南キャンパスを訪問しました。アゼルバイジャン共和国のディアスポラ(海外在住のアゼルバイジャン人)支援を目的とする同委員会では、他国との学術交流や研究協力を検討しており、日本の大学における教育?研究活動を視察するために来日。アゼルバイジャン日本友好協会会長を務める研究者のカリル?カランタル博士が、本学、情報理工学部の前田秀一学部長と親交があることから本キャンパスを来訪しました。当日は、ムラドフ委員長やカランタル博士、同委員会の日本担当者ら5名が来訪し、本学、情報理工学部、政治経済学部、国際学部の教員と交流しました。
最初に前田学部長が歓迎の言葉を述べ、2022年度に行われたアゼルバイジャン?ナヒジバン国立大学学長一行との交流を振り返りながら、「前回は理系の研究者の方々が訪れ学内のさまざまな研究施設をご紹介しました。本日は政治や国際の専門家が集まっているので、ぜひ交流を深めてもらいたい」とあいさつ。また、学長室国際担当の中澤康治課長が、本学の歴史や各キャンパスでの教育?研究活動について紹介しました。
続いてムラドフ委員長が登壇し、アゼルバイジャン共和国の歴史を紹介しました。18世紀後半の国家分裂や1991年の旧ソビエト連邦解体に伴う国家独立、大規模な石油開発などに触れ、さらに海外在住のアゼルバイジャン人を支援するために設置された国家委員会の役割について説明しました。福祉やアイデンティティの確立、多文化的価値観の創造などの取り組みを紹介し、「日本をはじめ、世界中に私たちの仲間が暮らしています。今後は教育?研究の発展に向け、学生同士の交流を推進していきたい」と語りました。
また、本学から出席した政治学科の藤巻裕之教授と西田竜也教授、平井新講師、経済学科の高橋塁教授と若野綾子准教授、国際学科の和田龍太准教授と李優大講師が、それぞれの研究活動について解説。ムラドフ委員長は各教員に感想や質問を投げかけ、活発な意見交換が行われました。最後に、ムラドフ委員長から各教員に対し、アゼルバイジャンの伝統工芸である小型織物(絨毯)や油田の石油で描かれた絵画、民謡の楽譜などの贈り物が手渡され、本学からも前田学部長が記念品を贈呈しました。その後のランチミーティングでも、両国の文化や教育活動について語り合い、交流を深めました。