海洋学部では、このほど『THE DEEP SEA ~日本一深い駿河湾~』(静岡新聞社)を出版しました。本学部がある清水キャンパスは日本の湾のなかでは最も深い駿河湾に面しています。その深さは2500mに達し、地理的?地形的な特徴が複雑に作用しあって、多種多様な生き物を育んでいます。本学部では、駿河湾の持つさまざまな特徴を明らかにし、そこに育まれた豊かな生態系について多くの研究を行ってきました。本書は、「海にはたくさんの感動と不思議がある」ことをより多くの人たちに伝えようと海洋学部に属する教員が中心となって執筆。「駿河湾のジオストーリー」、「海のしくみ」、「深い海の生物たち」の3部構成で、さまざまな角度から駿河湾の姿を解き明かしていきます。
編集に携わった川崎一平学部長補佐(海洋学部教授)は、「執筆を終えて、駿河湾の魅力をあらためて感じています。このような感動や不思議を感じられる駿河湾は、研究の題材だけではなく、地域の資源として多くの潜在力を秘めていると思います。海の魅力は、海に出るところからはじまります。この本を読んで『駿河湾に行ってみよう』と思っていただければ光栄です」と話しています。
「THE DEEP SEA ~日本一深い駿河湾~」
【内容】
第一部 「駿河湾のジオストーリー」
第一章 「駿河湾の生い立ち」 藤岡換太郎(神奈川大学非常勤講師)
第二章 「駿河湾の海底散歩」 坂本泉 准教授
第三章 「駿河湾と東海地震」 馬塲久紀 准教授
第二部 「海のしくみ」
第一章 「気候と海洋」 植原量行 教授
第二章 「現代深海研究」成田尚史 教授
第三部 「深い海の生物たち」
第一章 「深海のプランクトン」 松浦弘行 准教授
第二章 「ミステリアスな深海魚」福井篤 教授
第三章 「駿河湾に生きるサメたち」田中彰 教授、堀江琢 講師