ゆめタウンで農学部の学生たちが育てた黒豚の精肉を販売しました

農学部の学生たちが育てた黒豚の精肉販売が、10月27日に熊本市の商業施設「ゆめタウン はません」で行われました。ゆめタウンを運営する株式会社イズミと本学部の農学教育実習センターが協力して初めて実施したものです。本学部と本センターでは、安定した食料生産の確立に貢献する即戦力人材の育成を目指す農場部門や、動物福祉に特化した畜舎でさまざまな家畜の飼養管理を学ぶ牧場部門、学内で生産された原材料を活用しながら、多くの加工製品の製造方法を身に付ける加工部門で、多様な実習教育を展開しています。学生たちが育てた黒豚はベーコンやハムに加工するなど、製造方法を学ぶカリキュラムに使用しており、これまで精肉として流通させることはありませんでした。今回は、学生に自分たちが生産した黒豚が消費者に届く過程を学んでもらおうとゆめタウンでの販売が決まりました。

当日は、ロース、肩ロース、ウデ、モモといった部位ごとに分けて販売され、本センターの職員2名と学生3名が店頭に立って精肉の魅力をアピール。試食も用意して、来店した地域住民ら一人ひとりに生産の過程やキャンパスの特徴なども説明しました。商品を手に取った地域住民からは、「試食して、脂が乗っているが、しつこさがなくてとてもおいしかったので購入します」「安全な生産方法についても聞けて安心できます」といった感想が聞かれました。

学生たちは、「きれいに盛り付けられた商品を見たときには感動しました」「お客さまの手に届いたときの表情を直接見られてうれしかった」と笑顔を見せ、本センターの山中猛技術職員は、「初めての挑戦だったので不安もありましたが、ゆめタウンの皆さんにきれいに盛り付けていただき、多くのお客さまに手に取っていただけました。本センターでは、エサの25%をタンパク質やビタミンB群、食物繊維などが豊富な酒粕で代用しています。アニマルウェルフェアの観点も重視し、動物にとってストレスの少ない飼養環境も整っています。今後も、恵まれた環境で学生たちと一所懸命に育てた黒豚を多くの人に味わってもらいたい」と話しています。