熊本キャンパスの教職員や学生が参加する「黒川地区創造的復興プロジェクトワークショップ」の第6回を、8月5日に熊本県南阿蘇村の旧長陽西部小学校で実施しました。本学では今年1月に、環境省ならびに熊本県と「阿蘇地域の創造的復興に向けた地域循環共生圏の構築に関する協定」を締結しており、環境省、熊本県と協力し、熊本地震に見舞われた阿蘇地域の創造的復興に向けて、豊かな地域循環共生圏の構築を目指した活動を展開しています。
ワークショップは、熊本県が事務局を担う「地域創生プロジェクト」の一環として南阿蘇村とともに推進する「南阿蘇村黒川地区創造的復興プロジェクト」による活動です。阿蘇実習フィールド近隣にある旧西部小学校の整備計画や震災遺構との連携などを目指しており、メンバーは環境省と熊本県、南阿蘇村の関係者、本学から荒木朋洋九州キャンパス長をはじめとした教職員とチャレンジセンター?ユニークプロジェクトの「阿蘇復興への道」に所属する学生、黒川地区の住民で構成。6月17日から7月25日まで、5回にわたって意見を出し合ってきました。
8月5日のワークショップでは、それまでに本学関係者から出た意見等をまとめ、住民側に説明。「学生活動との交流の窓口となる住民組織の設立」をはじめ、住民と大学との共同実施による「阿蘇を語る日」や「黒川地区住民と学生団体が連携したイベントの実施」を提案したほか、「建学祭(欅祭)に住民を招待する」「阿蘇実習フィールドで作った農作物の収穫イベント」「実習時の住民による弁当販売」「旧西部小学校を活用した住民と学生の交流の場を設置」「震災遺構を活用した防災教育の実施」など、地域と大学の交流や拠点整備に関する多彩な意見について住民たちがグループに分かれて検討。「阿蘇で学生団体による合宿を積極的に行ってもえれば交流が深まるのでは」「交流拠点を機能させるには専従者が必要」「住民側も集うための体制づくりを始めなければならない」といった意見が出されました。
出席した本学九州教養教育センターの福﨑稔教授は、「大学側や学生たちが阿蘇地域でイベントを行いたくても、旧知の方だけに頼るのではその方の負担が大きくなりすぎてしまいます。そのためにも住民組織の整理が必要です。また、地震で崩落した阿蘇大橋が復旧すれば、黒川地区はまさに熊本市側から阿蘇地域にアクセスした際の玄関口になります。人が集まる場所となることを見据えた準備が今からでも必要。たとえばこの西部小学校跡地になにを置くのかなど、大きなビジョンをもって語り合いたい」と語りました。また、bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户チャレンジセンター?ユニークプロジェクト「阿蘇復興への道」のリーダーを務める井手良輔さん(農学部バイオサイエンス学科3年次生)は、「住民の皆さんと学生が意見を出し合いながらいい着地点を探していきたい」と今後への展望を話しています。
なお、本ワークショップは計7回を予定しており、住民による協議や行政との調整を経て、アイデアの実現に向けた具体的な活動が展開される計画です。