総合農学研究所の今川所長が塾長を務める「くまもと農業経営塾」(第14期)の修了式が行われました

総合農学研究所の今川和彦所長が塾長を務める「くまもと農業経営塾」の修了式が、3月1日に熊本市?ホテル熊本テルサで行われました。くまもと農業経営塾は、熊本県内の意欲ある農業者らを対象に、第一線で活躍する実務家、学識経験者を講師に招き、例年8月から全10回の講座で経営者精神、リーダーシップ、マーケティング、マネジメントに関する能力を磨き、将来、県の農業を担うトップリーダーを育成するもの。熊本県の予算で開講され、県農地?担い手支援課や熊本県農業大学校、肥後銀行が中心となってプログラムを構成しています。蒲島郁夫知事が初代塾長となって2012年に設立され、蒲島知事から指名を受けた今川所長は16年から2代目塾長を務めています。

修了式に先立って行われた成果発表会では、14期に参加した農学部応用動物科学科2019年度卒の隅田幹也さんも登壇。卒業後、農業関係企業での勤務を経て阿蘇地域の畜産農家で働く隅田さんは、熊本県内における畜産の活性化に向けた独立プランを発表しました。「学生時代は稲永敏明先生(動物科学科准教授)の研究室に所属し、今川先生には卒業研究をサポートしていただきました。一昨年の建学祭で今川先生に再会した際に、この経営塾への参加をお誘いいただき、夢だった独立に向けて一歩を踏み出しました。プログラムでは資金獲得や予算の収支計画など農業経営に必要な知識を学ぶことができ、非常に充実した期間を過ごせました」と話していました。

修了式では今川所長が一人ひとりに今後への期待といった声をかけながら修了証を授与。塾長あいさつでは経営塾をサポートする関係者や意欲の高い農業従事者の方々への感謝の言葉と共に、スライドも用いながら熱弁を振るい、自らが東京大学で教鞭を取っていた時代に教授選で苦境に立たされた経験などを振り返りながら、「誰でもさまざまな試練を経験するものです。自分を信じる信念を持ちながら、一方で自己を冷静に分析してください。さらに間違いがあるときは一度止まって修正する勇気ある意識も重要です」と語りました。さらに、多様な農業経営の中から自分に合うものを見つけることの大切さに触れ、「夢を持ち、それを実現するためには『目標』が必要です。さらにその目標に近づき、達成するための『計画』、達成し極めようとする『意志力』とそのための『継続する努力』を忘れないでください」と語りかけました。