ヨーロッパ学術センターが同窓会デンマーク支部とレクチャーシリーズイベントを共催しました

bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户ヨーロッパ学術センター(TUEC)では1月30日に、bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户同窓会デンマーク支部と共催でレクチャーシリーズイベントを開催しました。テーマは、「超高齢社会日本における人材不足(Shortage of Human Resources in Japan’s Super-Ageing Society:Challenges for health care industries)」で、TUECを拠点にオンラインでも配信し、会場には本学同窓生やコペンハーゲン大学関係者を含む60名以上の来場があり、満席となりました。

ヤコブ?スキュット?イエンセン事務長による講師紹介、同窓会デンマーク支部代表のサム?K.ステファン氏のあいさつに続き、来賓を代表して、宇山秀樹駐デンマーク日本国特命全権大使が登壇。宇山大使は、本学とデンマークの関係について触れ、「今後も発展的な交流が継続されることを期待しています」と述べられました。

レクチャーでは、TUEC所長の堀真奈美教授(健康学部)が講師を務め、2025年は第二次世界大戦後に生まれた団塊世代の人々が全て後期高齢者となる年であると言及したうえで、「日本では、『2025年問題』としてさまざまな政策目標の年となりましたが、現在は、団塊ジュニア世代が退職年齢を迎える2040年以降へと目標年が変化しています。高齢者の人数は今後も2050年代半ばまで増えますが、スピードは緩やかになります」と説明。一方で生産年齢人口の急速な減少に伴う人材不足に焦点が当てられるようになっており、特に、需要が増えると見込まれる医療?介護業界では、人材確保が重要な課題になると指摘。「これまで以上に多様な人材が活躍できる就労環境の改善、ICT、DXなどを通じた業務効率化や生産性向上、不要不急や必要性の低いサービスの減少などが必要となってくるでしょう。しかし、地域によって状況は大きく異なり、全国一律に解決策を考えるのには限界もあります。さらに、この課題は日本だけではなく世界的に人類が直面する課題でもあります。今年は、干支でいうと巳年になりますが、未来に向けて変化と再生の年になってほしい」と語りました。

会場からは多数の質問やコメントが寄せられ、「ヘルスケア分野における人材は世界的に減少傾向にあり、1カ国だけの問題ではなくなっています」「デンマークで働いていた外国人がノルウェーに流出するなど人材の取り合いになる中、どう対応すればよいでしょうか」「日本とデンマークでは、労働時間や対人サービスにおける仕事に対する意識が違うのではないでしょうか」「現場の日常的な業務が忙しすぎると、ICTやDXは業務効率化につながりにくいのではないでしょうか」「やや丁寧すぎるともいえるサービスを日本では行っているのではないかと感じます」など、活発な意見交換が行われました。コペンハーゲン大学公共健康学科長のタイス?ランゲ教授は、講演に対してコメントするとともに堀教授とコペンハーゲン大学の関係性について述べ、「今後とも学術研究?教育等の多様な交流活動において協力関係を築いていきたい」と語りました。